角川書店単行本 私の居場所はここじゃない

著者名：安部若菜【著者】

KADOKAWA（2024/12発売）

• ISBN：9784041152867

内容説明

舞台は大手事務所主催のエンターテイメントスクール。3月にある事務所所属をかけたオーディションに向け、高校生5人はレッスンに励んでいた。
友達と一緒に応募したオーディションで特別に声をかけられ、成り行きでアイドルを目指すことになり、当たり前だった「青春」や友人関係に息苦しさを感じ始める莉子。
亡くなった母の期待を背負い、結果を残したいと焦る、ダンスボーカルグループ志望の冬真。
「子どもを産まなければモデルになりたかった」という母の言葉で将来の夢を決め、SNSの活動を頑張るモデル志望の美華。
「普通」「真面目そう」と言われ続けてきたことにコンプレックスを抱き、「特別」になりたいと強く願う俳優志望の純平。
いじめが原因で自ら芸能活動を辞めたが、もう一度自分の居場所を求めて入学を決意した、元天才子役のつむぎ。
嫉妬や葛藤を乗り越えて彼らが最終オーディションの舞台に立つとき、どのような光を放つのか――。

※巻末には、電子書籍限定特典として、アナザーストーリーを収録！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[よっち]

友達と一緒に応募したオーディションで特別に声をかけられ、成り行きでアイドルを目指すことになった莉子。3月にあるオーディションに向けて、レッスンに励む高校生たちの青春小説。レッスンに追われる莉子が感じる友人関係の息苦しさ。亡くなった母の期待を背負い焦る冬真。母の言葉で将来の夢を決めた美華。特別になりたいと願う純平。いじめが原因で辞めた世界に、もう一度自分の居場所を求めたつむぎ。自分が持ってないものにコンプレックスを感じて、ぶつかり合う中で自分にとって何が大切なのかを気づいていく姿がとてもまぶしい物語でした。

2025/01/06

[RED FOX]

「結果が出るとわかっているなら誰だって努力します。分からないのに努力し続ける人にこそ」生意気な人、持ってる人を羨む人、普通が嫌な人が真実に気づく時、5人が愛おしくなる。面白かった。

2024/12/30

[アカツキ]

大手事務所主催の芸能スクールに通う5人の高校生の短編集。友達とオーディションに応募して1人受かった莉子、亡き母への想いを背負ってダンスボーカルグループを志望する冬真、モデルになりたかった母の夢を自分のものにした美華、特別になりたい俳優希望の純平、もう一度芸能舞台に戻ろうと挑む元天才子役のつむぎ。それぞれ抱える悩みから明るいところへ向かっていく話で読後感が爽やかで良いが、運命のオーディションの結果が気になる。続編を読みたくなった。

2025/02/12

[ジジ]

　芸能事務所所属のタレントになるためのオーディションに受かるために芸能事務所の芸能スクールに通う5人の高校生を描いた物語です。 　テーマはタイトルの通り「居場所」なのですが、オーディションに受かって本当に芸能界に行きたいのかという葛藤みたいなものもあり、居場所だけではなく、夢ってなんだろうか？やりたいことってなんだろうか？ということも描かれている作品です。

2025/01/01

[ジャム]

「アイドル失格」で小説家デビューした現役アイドルＮＭＢ４８のメンバー安部若菜による待望の小説第２作はアイドルやダンサー、モデル、俳優を目指し芸能スクールに通う５人の高校生男女を描いた青春小説!自身も厳しいオーディションを経てアイドルの世界に身を投じた作者だからこそ描けた芸能オーディションの現実と夢を見るということは何なのかという葛藤をそれぞれ立場が異なる５人の男女を通じて描いた迫真の作品で友情とも違うけど憎しみ合うだけでもない5人の関係性が胸に迫りました。願わくば５人の未来が輝かしいものでありますように。

2024/12/10