内容説明
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一九九二年二月に調印されたマーストリヒト条約は「欧州連合(EU)の市民権がここに創設される」と宣言した。これはEC構成国の市民が、その所属する国家をこえて、ヨーロッパ共同体の一員としての市民権をもつことを意味している。ヨーロッパは、民族紛争や幾多の戦乱の歴史をのりこえて、統一の第一歩を踏み出そうとしているのだ。しかし、ヨーロッパ統合の過程は、さらに遠大な計画であり、近年の表面的な動きの底には、二一世紀に続く豊かな理念をもった設計図が描かれていた。この理念と統合の過程を人々の歴史と共に展望しよう。
目次
第一章 歴史---ECを創った人々---
第二章 法---EC法秩序のダイナミズム---
第三章 しくみ---ECの意思決定メカニズム---
第四章 人---国籍を問われないヨーロッパ市民---
第五章 国境---ボーダレス・ヨーロッパの課題---
第六章 政治統合---マーストリヒト条約の歴史的意義---
第七章 ヨーロッパ市民権---アイデンティティの創出---
第八章 明日---EC統合と市民の支持---
おわりに
電子版あとがき
感想・レビュー
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うえ
5
92年刊。まだECと呼ばれていた頃の本。「国際法上、国家は主権をもち、自らの意にそわない決定には従わなくてもいいのが原則だった。ハンス・モーゲンソー…は「主権は国家の同義語だ」といっている。モーゲンソーによれば、国家は、その領域において他国の干渉を排除する絶対的地位をもち、その主権は不可侵で分割可能とされていた。…EC法はこのような国際法の考え方に、本質的なところから変更をせまっている」統合の進展に伴い、各国議会の権限が縮小されていくことが楽観的に予想されている。2023/07/17
Motoka Hoshi
0
レポート参考書1993/04/22