内容説明
旅を学ぶとは人を学ぶということであり、世界を学ぶということでもあった――。『深夜特急』では訪れなかったモロッコ・マラケシュへの道、飛行機でのトラブルがもたらした「旅の神様」からの思わぬプレゼント、『一瞬の夏』より始まった新たな夢。シドニー、アテネと連なるオリンピックへの視線、『凍』を書くきっかけとなる対話。無数の旅と出会いの軌跡が銀河のごとく瞬き巡るエッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
89
好みの沢木さんの最近出されたエッセイ集です。1月末に出版されるものと対になっているようです。特に海外を取材したときの記事(オリンピックの取材が多いようです)などが多く、柔道家の井上康生についての記事が楽しめました。やはり最初に「一瞬の夏」を出されているのでボクシングに絡むエッセイが結構あります。「少年ジョー、青年ジョー」という個所では、「あしたのジョー」での主人公の顔が変わっていくことが書かれています。2025/01/16
ふう
57
旅、作品、スポーツ、そして出会った人々への思いが綴られたエッセイ集。とくに旅について書かれた文が好きで、こんな旅をしてみたいと思いながらも、一人でそれほど安全なではないところへ行ける男性が羨ましくなったりしました。旅はもう一つの人生とありましたが、せめてその旅を読むことで、少しでもその人生に近づけたらいいですね。でも仮に男だったとしても、ブラジルのあの病院はごめんですが。高校時代、落研を創部し、人前で落語をやったという話は意外でした。おだやかな印象ですが、秘めた情熱、やりたいことへの思いは強いのでしょう2025/02/07
piro
39
25年分のエッセイをまとめた『銀河を渡る』文庫化の第一弾。新旧取り混ぜ、テーマも旅だけでなくスポーツや作家など多岐にわたっており、興味の幅が広がります。旅の途中で予定外の事が起こってしまった時、慌てふためいたり怒ったりせず、「いいだろう」とそれをどこかで面白がる感覚には共感。沢木さん程の諦観はできないものの、私もどちらかと言うとハプニングを面白がる方。だからこそ沢木さんの紀行文を楽しめ、羨ましいと思うんだろうな。アテネオリンピックでのアスリートについて書かれた件も強く惹きつけられました。2025/01/02
manamuse
14
正直に言おう。私はオリンピックに興味がない。なので、そんなに長々と語られても…って感じでした。旅側じゃない方の作品は挑んでみたけど合わなかったしなぁ。2025/01/03
てっちゃん
5
沢木氏のノンフィクション作家としての立ち位置や発想の仕方が分かり、面白かった。2025/01/05