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内容説明
馬主や生産者、ファンの期待と夢をのせて――。
華やかな競馬界を陰から支える馬匹(ばひつ)輸送の仕事。
その知られざる魅力を余すことなく紹介!
人馬一体となってターフを駆け抜けるその雄姿――。名馬たちが紡いできた血の物語――。競馬はギャンブルという枠を超え、多くの人々に親しまれてきました。そんな華やかな舞台の裏では、生産者や牧場スタッフ、厩務員など数多くの裏方が日々馬と向き合い、レースで最高の結果が出せるように努力を重ねています。本書で紹介する「馬匹輸送」も競馬界を陰から支える大切な仕事の一つです。
馬匹輸送とは、生産地からトレーニングセンター、競馬場までサラブレッドを安全に輸送することです。北海道・日高で3代続く馬匹輸送会社を経営している著者は、馬は繊細な生き物であり、輸送中のストレスや体調管理がレースの勝敗を大きく左右してしまうため、馬匹輸送には通常の運送業とは異なる高度な専門性が求められるといいます。
自身もドライバーとしての現場経験を積んできた著者は、経営者となってからも、預かった馬がレースで最高のパフォーマンスを発揮できるように、ストレスを最小限に抑える「柔らかい運転」技術の確立や、輸送途中で馬を休ませる「ワンクッション輸送」の導入など、さまざまな取り組みを行ってきました。
本書では、馬匹輸送における細やかな配慮や工夫、日々進化を続ける馬運車、ドライバーの育成方法など、馬匹輸送の奥深い世界を余すところなく紹介します。
「馬が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、輸送の質を追求し続けることが私たちの使命」という著者の言葉には、関係者の期待やファンの夢を背負って走る馬たちを無事目的地まで送り届けるプロフェッショナルとしての責任感と誇りが込められています。ファンにとって競馬というエンターテインメントの新たな魅力を発見できる一冊です。
目次
はじめに
序章
日高発、美浦・栗東へ
大きくて繊細な「命」を乗せて――旅のはじまり
日高から始まる30時間超の長旅
日本一のサラブレッドの生産地
競走馬になるための基礎訓練
専門的なトレーニングを受ける
馬への希望を乗せて馬運車は走る
第1章
「馬が好き」だけでは務まらない
命を運ぶ馬匹輸送ドライバーたちの重責
競馬を支える縁の下の力持ち
確実に目的地に届ける
輸送中のトラブルに対処する
求められるのはより安全な輸送
生き物を長時間かけて運ぶ
長時間輸送のストレスが発症リスクを高める
少しの揺れがケガを招く
馬は「大きい赤ちゃん」
高額で期待も大きい
重圧にまさるやりがいとは
第2章
積み降ろし、給餌・給水、室温調整、音や光への配慮……
運転だけではない馬匹輸送ドライバーの仕事
馬は臆病で繊細
仕草と表情で心理状態を把握
積み込みの順番を熟慮
懐かれる人は声がけが多い
温度と空調の管理で快適な環境を保つ
暑さと寒さを両方対策
高速道路は出入口のカーブが鬼門
一般道は難易度が高い
枝がこすれる音にも反応する
光への反応をモニターで確認
輸送途中での積み直しはリスクが大きい
食いつきを見てのど詰まりを防止
獣医師との連携でトラブルに備える
マイクロチップで個体を管理
全頭無事に降ろして任務が終わる
第3章
進化を続ける馬運車と輸送技術
馬匹輸送の技術革新が競馬の進化を後押しする
高性能の馬運車が馬のパフォーマンスを高める
複数の協力会社の合作
テクノロジーの進歩で安全性が向上
長時間の運転を想定した快適なキャビン
ニーズを踏まえて自由に設計
頭数を減らして快適な輸送を実現
大型クーラーで馬房の室温を下げる
周囲の声とアイデアを柔軟に取り入れる
突起物のない安全な馬房が理想
馬運車整備の協力会社を増やす
メンテナンスも専門性が不可欠
担当者となってやりがいが高まる
車の点検も重要な仕事
休憩を入れて体調不良を減らす
ワンクッション輸送の構想を実現
栗東便をワンクッションに一本化
第4章
馬匹輸送がなければ競馬そのものが成り立たない
次代を担うドライバーの育成
一人前になるまでの条件は厳しい
3年で独り立ち、7~8年で一人前
前職での運転経験は一長一短
謙虚さと積極性を併せ持つ
現場でのコミュニケーションが重要
人も馬も相手を理解することが大事
座学と実務の組み合わせ
競馬業界全体を見て仕事の価値を理解
現場視点でトラックの扱い方を学ぶ
ドライバーの評価は会社の評価
自分たちの存在意義を明確にする
経営理念で一体感を醸成
スラロームで感覚をつかむ
道路事情は常に良くなっている
牧場の協力を得て馬の扱いを学ぶ
トラブル対応のジレンマ
一人前になるための課題
ドライバーを支えるバックオフィス
採用チャンネルを増やす
つながりを強化して定着率を高める
物流の2024年問題が新たな経営課題
競馬開催にも影響がある
第5章
歴史に残る名馬も、名もなき一頭も“重み”に違いはない
運送業としてのプライドを貫き、業界を支え続ける
競馬と人の歴史
競馬は四半世紀で100倍規模に成長
運送業のプライドを貫く
時代の変化を超えて馬を運び続ける
変化を先読みして経営戦略を立てる
技術新規参入のハードルが高い
参入障壁を低くする支援が必要
後継者探しと技術の承継が急務
関係者全員で競馬を支える
業種の壁を越えた連携が必要
現場視点の提案で競馬の発展に貢献
おわりに
感想・レビュー
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kinkin
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