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内容説明
中世化する21世紀世界
G7で、日本だけが経済成長していないとされるが、本当に正しいのか。
また、なぜそうなるのか。ベストセラー『資本主義の終焉と歴史の危機』で、
長期にわたるゼロ金利を、資本を投下しても利潤が出ない資本主義の「死」と看破した著者。
本書では、シンボルエコノミーがリアルエコノミーを凌駕し、
中世化する21世紀世界を読み解いていく。
古びた理論にしがみつく日本政府や日銀、経営者を批判し、
経済成長率の“まやかし”を明らかにする。
世界に先駆けて「定常状態」に移行する日本経済はどこに向かうのか、
われわれはいかなる選択をすべきか。その答えがここに!
(以下、目次)
第1章 幻想のインフレ時代
第2章 経済成長という病
第3章 リアルエコノミー vs.シンボルエコノミー
第4章 中心の喪失
第5章 作られたバブルと、ビリオネアの増殖
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モーモー
14
この頃よくでてくるようになったシンボルエコノミーという単語。リアリズムがある経済ではなく、金融によるつくられた経済であり、繁栄しているようではあるが非常に危うい状態であるともいえる。 日本では富を溜めたのが、企業であり、賃金アップされてきているが、過去に遡って取り返す必要がある2025/05/26
まゆまゆ
10
労働と資本によってGDPを測るリアルエコノミーに対して、資本の増減だけで経済を測ろうとするシンボルエコノミーが台頭しているが、これは幻想であることを語る内容。株式や投資信託への投資で資産を増やそうと煽る最近の風潮はその一環だと考えると納得。現在の経済的な現象を既存の経済学理論で語れないためにこのような考え方が浸透しているとでも言うべきか。2025/03/05
Melody_Nelson
6
GDP上位に来るのは小国が多く、例外がアメリカ。製造業が空洞化して、金融やITなどで潤うアメリカは、まさにシンボルエコノミーなのだろうけど、それもドルが基軸通貨であってこそ。しかし、格差は広がる一方なので、ミリオネア、ビリオネアなどの資産に課税すべきだし、水野氏も言及しているように、彼らこそ二酸化炭素の排出が多いのだから、そのツケは払ってほしい。日本の場合は企業の内部留保額が異常であり、これを賃金に適正に分配すれば、もっと経済は活性化しそうなものだけど。高齢化により労働人口が減る中、やるべきことは山積。2025/03/10
乱読家 護る会支持!
3
⚫︎リアルエコノミーは、労働(L)と資本(K)を用いて人々の生活に必要な財・サービスを生み出し、GDP(実質国内総生産)を創出する世界。シンボルエコノミーは、ROE(自己資本利益率)を高め、資本(K)を自己増殖させることに主眼を置き、株価や為替といった「記号=シンボル」に支配される「幻想」。などなど、、、 正直、経済学者のおっしゃられることは、よくわからん!! ともかく、ジミントウさん、収入を上げて、物価を下げて、減税して!!2025/06/05
kaz
2
著者の主張は鋭く、現代経済の問題点の指摘は興味深いが、一方、議論は抽象的な印象。リアルエコノミーとシンボルエコノミーの対比等、考え方は参考になる。図書館の内容紹介は『G7で日本だけが経済成長していないとされるが、本当に正しいのか? 資本主義の終焉を説いた経済学者が、古びた理論にしがみつく日本政府や日銀、経営者を批判し、経済成長率の“まやかし”を明らかにする』。 2025/04/07