ちくま文庫<br> 駄目も目である ――木山捷平小説集

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ちくま文庫
駄目も目である ――木山捷平小説集

  • ISBN:9784480439871

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内容説明

木山捷平は詩人として活動をはじめ、太宰治や井伏鱒二と交流を持ちながら小説家としての才能を開花させる。飄逸でユーモアに溢れる世界は唯一無二。決してよく知られた作家ではないが、現在まで静かに愛され続けてきた。木山作品をこよなく愛する岡崎武志が、木山自身を投影した“正介”が登場し東京の街を闊歩する作品を中心に編んだオリジナル作品集。「軽石」「苦いお茶」「下駄の腰掛」ほか収録。

目次

耳かき抄/竹の花筒/貸間さがし/お守り札/下駄にふる雨/下駄の腰掛/冬晴/苦いお茶/川風/太宰治/月桂樹/釘/軽石/赤い靴下/大安の日/編者解説 岡崎武志

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

阿部義彦

17
好物ちくま文庫2ヵ月前の新刊です。文庫オリジナルのアンソロジーを選んでくれた、岡崎武志さんに感謝します。何ともとぼけた味のある小説を書く人なんでしょう。ほぼ自分の身の回りの事と過去の自分の体験らしき追憶を材料に、あちこち寄り道しながら語られる日常。つげ義春さんの「李さん一家」を思い出しました。太宰治と同時代人で、同じ同人誌で書いてた事も有ります。好きな話は「苦いお茶」が圧倒的でした。引揚者同士の時と場所を超えた結び付き。あと「釘」この話を元に漫画家の倉多江美さんが昔「一万十秒物語」で漫画化してましたね。2024/12/05

うた

5
くだらないことこの上ないのだけれど、力の抜け具合がたまらない。編者が後書きでビール片手に読めると書いていて、なるほどと思った。これ、水曜どうでしょうとかと同じノリなのだ。2024/10/17

Cちゃん

4
1904年生まれの作者、聞いた事もない人でした。おそらく戦中、戦後あたりの日本人の日常をユーモアを混じえて自分語りや、自身の分身的な正介という主人公を使って展開する短編集。今では使われなくなったような言い回しや言葉、そして当時の文化や習慣が興味深かった。ほぼ毎日お酒を飲み歩き家でも昼夜問わず飲み、飲んでいればご機嫌。ちょっとした事でご機嫌斜め。男尊女卑などなど全て当たり前。いや、おおらかで良いじゃないか。今の世の中ハラスメントにレイシズムにLGBTQに…。生きづらくなりました。2025/05/17

イチコ

1
なんとも味わい深い、まったりとした文体で綴られる思い出やら日常やら。 素朴ながらも情感のこもった文章は、ときに悲哀を、ときにエロティシズムを、そしてときに喜びを、我がことのように感じさせる。2025/08/01

uh

1
何度も繰り返し読めるような滋味深い作風が心地よかった。「耳かき抄」「竹の花筒」「下駄の腰掛」「苦いお茶」が気に入った。2025/01/12

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