AI・機械の手足となる労働者 - デジタル資本主義がもたらす社会の歪み

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AI・機械の手足となる労働者 - デジタル資本主義がもたらす社会の歪み

  • 著者名:モーリッツ・アルテンリート/小林啓倫
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  • 白揚社(2024/12発売)
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  • ISBN:9784826902663

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内容説明

「デジタル技術の進化により、さまざまな作業や業務が自動化されたように見える現代社会だが、その裏には多くの「人間による労働」が残されている。いや、残されているというより、人間の労働力が機械やアルゴリズムを中心とした仕組みに組み込まれていると言うべきだろう。アルテンリートは本書において、それを「デジタル工場」という概念にまとめ、幅広い調査に基づいて、批判的考察と理論化を試みている」(「訳者あとがき」より)

目次

第1章 工場を去る労働者―イントロダクション
デジタル工場へ
デジタル工場の研究
本書について

第2章 グローバルな工場―ロジスティクス
コンテナ、あるいはロジスティクス革命
アルゴリズム、あるいは第2の革命
小売業の台頭
クリスマスの熱狂―配送センターへ
バーコードとスキャナーのリズムに合わせて作業する
労働の標準化・労働力の多数化
アマゾンの次のフロンティア―ラストワンマイル配送
ラストワンマイルにおける労働
極端な柔軟性―プラットフォーム労働力の出現
シームレスではない何か

第3章 遊びの工場―ゲーム
ロサンゼルス、ベルリン、深センの間のゲーム労働者
「1日12時間、1週間休みなしで、私は同僚とモンスターを殺し続けています」
アゼロスの政治経済
デジタル・シャドーエコノミー
二重の移民
デジタル労働・デジタル移民
ゴールドラッシュの後
ゲーム開発―ゲームスタジオにおける労働と対立
テスティングの労働力
エレクトロニック・アーツのケース
対立、喜び、物質性

第4章 分散型工場―クラウドワーク
「サービスとしての人間」
オンデマンド労働力のグローバル生態系
AIの裏側にある労働
「月100ユーロ稼がないと生活できないんだ」
デジタル組立ライン
オンデマンド労働力
プラットフォームの労働者
クラウドワークと家事・育児
「次の50億人」
隠れた労働力

第5章 隠れた工場―ソーシャルメディア
プラットフォーム広告の政治・経済に対する影響力
アルゴリズムのアーキテクチャー―論理、制御、労働
クラウドの物質性
海中へ、そして工場へ
アイフォーン・シティ
コンテンツ・モデレーション―「目にするものの酷さは、想像を超えています」
良いコンテンツ・悪いコンテンツ
文化に惑わされるアルゴリズム
ベルリン、オースティン、ダブリン―アウトソーシングを担う移民労働者
産業化された意思決定
ソーシャルメディアの暗部のグローバルな地理
「米国人やオーストラリア人と働くのとほとんど同じ感覚」
インフラ化

第6章 工場としてのプラットフォーム―結論
ベスレヘムからアマゾンへ―テイラー主義の過去と現在
工場としてのプラットフォーム
移動労働者、柔軟になる境界、分散化する紛争
労働の終焉に向けて

第7章 感染した工場―エピローグ

謝辞
訳者あとがき
参考文献
原注
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

izw

7
ITが進んで、省力化が進む裏側で、新たな労働者が増えている。グーグルプレックスで「黄バッチ」を付けてひたすら本をスキャンする人たち、アマゾン物流センターの従業員、宅配のラストワンマイルを担う人、一日中ゲームのアイテムを集めるゴールドファーマー、クラウドワーカー、SNSのコンテンツをチェックするモデレーターなど、デジタル・テイラー主義で管理された労働を担う人たちの実態を何年にもわたる調査、インタビューを通して明らかにしている。AI・ロボットが進化するとなくなりそうな仕事だが、まだ人間の方が安いのだろう。2025/07/14

Oki

3
「この世にたやすい仕事はない」というより、「この世に搾取されない仕事はない」と言うべきか。労働者に対する責任を回避するために、自らをプラットフォームテクノロジー企業と位置づけたがる気持ちもわかる。確かに最初はそうだったかもわからないが、組織は変容する。2025/08/22

かとたか

3
どんなにAIや機械化、デジタル化が進んでも、それは表層的にそうみえてるだけで、裏には労働者の手が介入している。デジタル資本主義と呼ばれる現象の深層について考えさせてくれます。30年前のスコットラッシュとアーリの組織化資本主義の終焉論の続編のような話だと思って読み進めて行ったら、やはり著者はラッシュと交流があったらしいです。多くの人々にお勧めしたい本です。2025/02/03

三月うさぎ(兄)

2
AIに代表されるようなデジタル化が人間の労働を奪うという論調が支配的な昨今、実は、物流やゲーム、SNSなどのプラットフォームでタスクの標準化・細分化が進み、労働の自動監視が徹底されることで、GoogleやFacebookの猥褻・暴力などのコンテンツチェック、Amazonの配送センターでの棚からの上げ下ろしやセンターから玄関先までのラストワンマイル配達、車載映像にタグをつける自動運転用AIへのアノテーション、ネット上で1分未満で終わるようなスキマバイト的な単純労働など、「人間の統合的な能力」がどうしても →2025/05/03

YASU

2
AI技術の発達によりすべての労働が自動化される、といった単純な話ではない。労働はむしろどうしても自動化できない部分で多様化・ニッチ化し、労働者は個別に分断され組織されないままに、ネットワークによって“集団的”に管理され強制労働させられる。アマゾンの集配センターで、あるいは在宅で、クラウドワークで、“創造性”とは無縁な単調労働に多くの移民や底辺労働者が従事しているという。さて、こうしたAI時代の労働に対して、トランプが提唱する伝統的工業の復活がいかに夢想にすぎないか。わかってるのかな?2025/05/04

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