内容説明
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ヨーロッパの中でも近代統一国家の形成が遅かったドイツにおいて、人々を「ドイツ人」へと自覚させ形成させる役割を担ったのが、言葉であり、古くから姿を変えつつ受け継がれてきた言語文化だった。中世からルネサンス・バロックを経てゲーテとシラーに到るまでの歴史と建築・文学の流れと、彼らの後のロマン主義の潮流の中でナショナリズムへと舵を取るドイツ語圏の姿とを素描することで、「ドイツ」へと至る文化を読む。
目次
第1章:序――文化についての基本的考え方
第2章:ロマネスク様式・ゴシック様式
第3章:ルネサンスI
第4章:ルネサンスII
第5章:バロックI
第6章:バロックII
第7章:啓蒙主義I
第8章:啓蒙主義II
第9章:ロマン主義
第10章:おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Stevie G
1
今度ドイツにしばらく滞在しますので、予習の意味で手に取りました。著者がドイツ文化で一生食って行こうと思った動機はどういうものなのか、興味があります。2024/05/18
お抹茶
0
文芸,演劇,建築の文化史が中心。権力と富とが奢侈として目に見える表現となるのがバロック建築物。華麗なバロックの文化は,地上世界を見下ろす権力の恍惚として,地上世界を越えゆく宗教的な陶酔の文化。自然風景への感情を伴う没入・耽溺がロマン的であり,『若きウェルテルの悩み』も一例。ルネサンスの時代には文芸を通して古代世界を知るのみだったが,18世紀の古代廃墟の発掘や新古典主義による建築物により,古代への関心が惹起された。「文化」と銘打っているが,扱うジャンルは限定されているので,網羅的に知りたいなら別の本が必要。2024/04/18