内容説明
1914年に勃発した戦争は、当初の予測を裏切り、4年以上に及ぶ最初の世界大戦となった。
その渦中で、皇帝や政治家、軍人などの指導者は、どのような選択と行動をし、それは戦況にいかなる影響をもたらしたのか?
本書は重要人物や戦場を描いた100点近くの諷刺画を織り交ぜ、当時の状況を再現しながら、戦いの軌跡をたどる。
そして、複雑な背景を持つ第一次世界大戦を多面的に読み解き、実態をここに描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nnpusnsn1945
57
『新・映像の世紀』で第一次世界大戦について視聴していたため、ピンとくる話が多かった。(地雷やロシア革命、ヴェルサイユ条約など)風刺画が混じっているため、状況が整理しやすい。日本の参戦も多く言及されていた。大戦以降、大陸の権益に手を出しはじめているが、外国から脅威と見なされている様子が伺える。ドイツ軍は、リヒトホーフェンやレットウ=フォルベックといった英雄が多かったようだ。フォルベックはゲリラ戦の指導者として名高い。2021/12/28
Tomoichi
24
日本も参戦しているが対華21か条しか取り上げられない第一次世界大戦。今も欧州で深く歴史として刻まれる戦いをサラエボ事件からベルサイユ条約後まで一気に読ませる。ロシア皇帝ニコライ二世の無能が戦争と革命と自らの死を呼び、拳をあげながら戦に弱いオーストリアは帝国が崩壊し、助っ人のはずが悪役を気受けたドイツは同じく帝国が滅ぶ。ドイツ憎しの連合国は第二次大戦の種を蒔く。本書を読むと総力戦に貧乏国家がどう挑むかに悩み苦しんだ「持たざる国」日本の姿が目に浮かぶ。2018/10/07
18_y_1977
15
あまり理解していなかった第一次世界大戦の一連の流れが解りやすく書かれていた。連鎖的に次々と戦争に巻き込まれていき、意図せず世界大戦に。一旦動き始めれば、簡単には終息できず多大な犠牲を出し、終戦処理が次の報復を生む。わずか100年前の出来事、同じ道を歩まぬよう歴史を学んでいきたい。2017/09/10
かんがく
14
一年ごとを一章として、第一次世界大戦の経過を丁寧に記述する。しかし、その一方で時系列に沿って話がとびとびになるのでやや読みづらさも感じる。風刺画を多用して、ヴィルヘルム、ロイドジョージ、クレマンソー、ウィルソン、ニコライといった当時の指導者たちが描かれる。ドイツが善戦している期間の方が長かったのだということが改めてわかった。2018/07/15
skunk_c
14
支配者、軍人、政治家の動きをメインに戦争の経過を記したもの。テンポが良くて読みやすく、大戦の流れを把握するのには好適。また多数の風刺画が挿入されており、エピソードについての解説もあるため、イメージが広がり、そこから民衆の戦争に対する視線を照射できている面があると思った。戦闘の度に死傷者がかさんでいくことが数値を上げて示されているが、それにより戦争自体の遂行が困難になる点が指摘されていたら良かったか。それより前線から脱走する者、闘わず捕虜になる者の多いこと。WWⅡに比しまだ戦争に人間臭があったように思えた。2016/04/11
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