内容説明
分かることはいくつになっても面白い! 老いとは自由だ! 主婦から、夫の死を経て63歳で作家に、芥川賞を受賞した著者初エッセイ集。家事をしつつ考え見出した生活に密着した至言満載。
夫を亡くし、63歳で主婦から作家に
大ベストセラー/芥川賞受賞作『おらおらでひとりいぐも』著者の初エッセイ集
身近な人の死、孤独と自由、新しい老い、自分を知る楽しさ、
家族の形、ひとりで生きること、みんなで生きること――
書いて考えて辿りついた、台所目線の哲学
その頃の私は相変わらず家庭の幸福に酔うてもいたが、
そうでもない自分も知っていた。
つまらない、飽き足らない、心の奥で私はそう思っていたはずで、
それをはっきりと言葉にすることを恐れてもいた。
言葉にしたとたんそれが顕在化する。(中略)
人に見くびられないように、いい人と思われるように外に武装し、
内に外に何重にも押し固めて見えなくなっている自分の心というもの(中略)
家庭という狭い世界にいるけれど、台所からだって世の中は見える、
そううそぶいて何とか心の均衡をとっていたところがある。ーー本文より
NHK『こころの時代』で大反響「ドラゴンボール」も収録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
166
若竹 千佐子、3作目です。著者の初エッセイ、60歳代で人生が激変した女性の日常が語られています。 超高齢化社会の今、テーマを選んで書けば、売れると思いますが・・・ https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309039251/2025/01/13
いつでも母さん
137
『おらおらでひとりいぐも』が私の中に刺さっ・・そこから若竹さんが気になっている。『かっかどるどるどぅ』も読んだ。本作は初のエッセイ集。60代の若竹さんがそこにいた。分っかる~ところや、そうなんだ!なところ。へぇ・・もあった。私の心の奥底に眠っているのはなんだろう。怖いような、気付きたくないような・・だから、蓋をしておくとしよう(汗)でも、時々は声を上げようとは思う。2025/01/18
trazom
133
若竹さんの初のエッセイ集とのこと。人生が振り返られる。大学卒業後、教師を目指すも叶わず。見合い結婚で結ばれた優しい夫、二人の子供に恵まれた専業主婦の幸せ(と寂しさ)。そして突然の夫の死と絶望。でも、夫がくれた独りの時間を絶対に無駄にしないと小説を書き始め、63歳での芥川賞。受賞後も浮かれることなく「一番身近で大切だった人の死を体験した後では、私には何も怖いものがないのです」として、平凡な時間を大切に生きる若竹さんから、「老い」の意味を教えられる。シャレたエッセイと対極の素朴な文章から、真心が伝わってくる。2024/12/19
ちゃちゃ
91
専業主婦だった若竹さんが『おらおらでひとりいぐも』で芥川賞を受賞したのが2018年。本作は、それ以降の様々な媒体に発表されたエッセイや講演録等をまとめたもの。とりわけ受賞作への言及が多い。自己の経験に基づき自らの血肉と化した痛みや憤り、喜びを作品化する人だ。つまり、自分の経験に裏打ちされた実感によって彼女の作品は貫かれている。だからこそ絵空事ではない強さがある。けれど今や70歳の峠を越え、その実感は変化する。自由な孤高の気概から、ゆるやかな共同の喜びへ。人生の少し先輩である彼女の向かう先を追ってゆきたい。2025/03/10
けんとまん1007
72
図書館で眼にして、手に取った。あとから、著者の作品を読んでいることがわかった。台所。人の暮らしの基本にある場所。ふと考えることは、いろいろある。台所は、ある意味で故郷のようなところかもしれない。変に飾ることがなく、日々の中でしっかりと根を下ろしている所。そこから、自分の周囲や社会を見つめると、著者と同じように思うことが多い。2025/08/11




