内容説明
明治維新により西洋の文明・文化をすみやかに消化吸収することを至上命題とした明治日本の知識人にとって、西洋近代の芸術もまたそのように吸収し自己形成するべき文化領域であり、それは日本には存在しなかった西洋近代のアートワールドを自己のものとする企てであった。美学の見地から明治の芸術論争を分析、その過程を描き出す。
目次
第一章 「美術(芸術)」の「妙想」
1 「アートワールド」維新
2 「書は美術ならず」
3 「小説は美術なり」
4 『当世書生気質』と『浮雲』
第二章 内面のドラマ
1 続き物、翻訳小説、政治小説
2 内面のリアリズム
3 ツルゲーネフ翻訳と西鶴調
第三章 「想」と「実」
1 「舞姫」論争
2 ハルトマンの「小天地想」
3 没理想論争
4 「日本絵画の未来」
5 裸体画論争
第四章 文壇文学と大衆文学
1 「軟文学」と文学極衰論
2 撥鬢小説と探偵小説
3 「人生相渉る」論争
4 「同情」と悲哀の快感
5 観念小説と深刻小説
6 醜の美
第五章 近代リアリズム小説
1 一葉の叙法
2 独歩のリアリズム
3 子規の写生文
4 ゾライズム
5 ニーチェと新ロマンチシズム
第六章 自然主義
1 漱石の「独創力」
2 藤村と独歩
3 自然主義論争
4 花袋の描写論
5 「視点」と「態度」
注
あとがき
人名索引
事項索引
-
- 電子書籍
- 幼馴染のS級パーティーから追放された聖…
-
- 電子書籍
- ブルー・レディへの贈り物【分冊】 7巻…
-
- 洋書電子書籍
- Cyber-Physical Syst…
-
- 電子書籍
- これってワンナイトラブですか?【マイク…