ルポ 学校がつまらない - 公立小学校の崩壊

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ルポ 学校がつまらない - 公立小学校の崩壊

  • 著者名:小林美希【著】
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 岩波書店(2024/11発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 720pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000616706

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内容説明

小学生の不登校の数が増え続けている.型にはめ込む管理型の教育現場では,少しでも「普通」から外れると「公立に合わない」「普通の学級に合わない」と「烙印」が押される・・・.教員たちも過酷な労働環境のもとで疲弊していく・・・.格差の再生産のような全国の公立小学校の実態を明らかにし,あるべき教育の原点を問う.

目次

はじめに
第1章 規格化される教育現場
“右へ倣え”と同じ絵を描かされる
学校が嫌,先生が怖い
ボイスレコーダーで判明した事実
人材不足で放置される不適切指導
子どもたちの拒絶が意味するもの
「皆と同じ」を求められる子どもたち
指示通りにできない子は「発達障がい」?
子どもの良さを見ることから逃げる
公立に合わないという烙印
「普通」でないと追いやられる
クラスで3人が支援を必要とする現実
「皆と一斉に同じことを」が苦しい
子どもが教育を受ける権利は守られているか
第2章 はき違えた“教育投資”
教員の主観で内申点が左右され中学受験
“課金地獄”の沼にはまる
中学受験で儲ける塾業界
役所は私立学校に介入できない
親の収入ランキングと受験率
地方でも中学受験が過熱
あえて受験しないという選択
保育園から早期教育
ストレスで荒れる小学生
教員からみた中学受験
教員も学校がつまらない
第3章 小学校が消えていく
沈没寸前の“タイタニック校”
小中一貫校化の弊害
他人に無関心になっていく
発達段階に合わない教育体制
全国で毎年180校が消えている
国家予算の1.4%しかない義務教育費
政治家のための教育改革
政治家から競わされる学力テスト
第4章 あるべき小学校を取り戻すために
改めて問う教員の労働環境
教室にもう一人の大人を
教育の本質を問う現場,N中・N高の取り組み
「自由」を活用して得る学び
一人ひとり違っていい
新しい私立校の挑戦
工業高校で道を見出す
公立でも柔軟な教育は実現できる
夢みる校長先生
子どもたちが幸せでいるかどうか
終 章 子どもが子どもらしくあるために
仕事モード,親モード
子どもにも人権がある
子どもが子どもでいられる遊びの場を
そのままの自分でいい
夢中になれる経験を持てるか
今を生き,わが道をゆく
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

レモン

33
最終章以外で紹介される事例の酷いこと。ベテラン教師による生徒イジメや中学受験へのストレスから学校で荒れる子どもたちの実態が悲惨で、そんな環境に放り込まれ傷ついている子どもを想像すると胸が痛い。小中一貫校への異動が島流しと揶揄されるほどハズレくじだったなんて。一概に言えないとは言え、衝撃が大きい。アタリかハズレかなんて実際に通わないとわからない部分があまりにも多く、親は祈るしかできないのか。都市部に住んでいなくて本当に良かった。中学受験がこんなに恐ろしいなんて。これぞ手段の目的化と言える。2025/05/18

よっち

28
不登校の数が増え続けている小学生。型にはめ込む管理型の教育現場になり、教員たちも過酷な労働環境のもとで疲弊する全国の公立小学校の実態を明らかにしようとした1冊。皆と同じを求められる子どもたち、行き過ぎた不適切指導、中学受験という教育投資の加熱と子どもたちのストレス、進む小中一貫校化の弊害、疲弊する教員の労働環境の一方で、N中・N高、私立高校、工業高校などの取り組みなども紹介していましたが、教育改革でやることが増えているのに、人手も予算も不足していてじっくりと取り組めていない弊害が出ているように感じました。2025/01/04

TAK.I

17
第1章から極端な事例に空いた口が塞がらない。体罰や暴言によって学校に行けなくなった子が紹介されている。ほんの一部だろうが、こんな教員がいるのかと呆れる。画一的な指導は子どもの個性を潰す。右へ倣えの指導はもはや時代遅れだ。2章からは管理された早期教育や加熱する中学受験が学校現場に与える悪影響について。これもキツイ。4章に入りやっとあるべき学校の姿が見えてくる。筆者は取材を通しさまざまな学校の取り組みが挙げている。公教育の質の低下が叫ばれて久しいが、子どもたちにとって何が真の幸せかを考える大人が増えて欲しい。2025/02/02

まゆまゆ

12
10年連続で小中学生の不登校が増えている背景にはいまだに画一的な教育現場による対応があるとして、公立小中学校の実態を紹介するルポ。昔ながらの指導を押し付けてくる教師や大人を敬わない児童たち…抑圧された学校という空間の中で大人もこどもも息苦しく過ごしている様子は伝わるが、結局すぐには解決できない。志の高い校長によってルールを変えていく学校も少しずつ増えてきている、のだろうか。2025/03/26

しげ

7
前半は、嘘みたいにひどい事例ばかりで、むしろ嘘だったらいいのに、と思ってしまうほどでした。工業高校やN高の成功例のように、子どもたちが自分に合った学びのかたちを選択できるための、多様な受け皿の整備を望みます。また、受験の低年齢化と加熱によって子どもたちが受ける影響については、もっとしっかりと検証され、議論されるべきことだと感じました。2025/04/16

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