魂の教育 よい本は時を超えて人を動かす

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魂の教育 よい本は時を超えて人を動かす

  • 著者名:森本あんり【著】
  • 価格 ¥3,190(本体¥2,900)
  • 岩波書店(2024/11発売)
  • ポイント 29pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000616690

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内容説明

よい読書体験はよい人間形成につながると信じる.真っ暗な地下鉄の線路を歩いた昔日の彷徨から,自らの実存の問いと対峙した神学遍歴,半世紀後に届いた「魂の教育」を願う母の祈りまで――.ルネサンス期の幅広い人文主義的な教養主義の理想「ボナエ・リテラエ」を冠する『世界』連載で紡がれた,ある救済の物語.

目次

Ⅰ 実存の闇
1 名付け――『ファーブル昆虫記』
2 口火――「良い書物」
3 破局――『CQ ham radio』
4 スタンド・バイ・ミー――村松喬『教育の森その後』
5 宗教は阿片だ――マルクス『ヘーゲル批判』
6 内面の共同建築師――森有正『ドストエーフスキー覚書』
Ⅱ 諸宗教の光
7 非存在の淵――波多野精一『時と永遠』
8 預言者――ウェーバー『古代ユダヤ教』
9 魂のリズム――井筒俊彦『 「コーラン」を読む』
10 「弱さ」の自覚――『大パリニッバーナ経』
11 会議の精神――大木英夫『ピューリタン』
Ⅲ 遍歴する神学
12 日本発の世界的神学――北森嘉蔵『神の痛みの神学』
13 近代啓蒙の爆裂――バルト『ローマ書』
14 「わたしのお母さん世界一よ」――トレルチ『キリスト教の絶対性と宗教史』
15 見知らぬ本が招く――エドワーズ『怒りの神』
16 存在のスキャンダル――アリストテレス『ニコマコス倫理学』
Ⅳ 遥かな成就
17 不安を引き受ける力――ティリッヒ『生きる勇気』
18 愚かな光の子――ニーバー『光の子と闇の子』
19 真理は出来事である――ブルンナー『出会いとしての真理』
20 運命と自由――バーガー『聖なる天蓋』
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

118
これはいい本だ。本書の本当のタイトルは「世界」連載当時の「ボナエ・リテラエ――私の読書遍歴」だと思う。Bonae Literaeとは「良い書物たち」。本書は、そんな良い書物たちと森本先生の人生が語られる。何よりここに登場する書物が、私自身のボナエ・リテラエと見事に重なって、読みながら興奮が止まらない。波多野精一/北森嘉蔵/井筒俊彦/バルト/トレルチ/ティリッヒ/ブルンナー/ニーバー…。森本先生のような立派な読者ではなかったけれど、でも、これらの書物と出会った時の思い出に満たされて、豊かな気持ちになる。2025/03/27

harumi

15
著者の森本あんりさんを全く存じ上げず(女性だと思っていた)、どういう本なのかもよく調べずに手に取ってしまった。神学や哲学にも不案内なので正直難しかったが、著者の生い立ちや半生が所々に織り込まれていたのでなんとか最後まで読むことができた。特に、非宗教的だった著者がなぜキリスト教の信者になったのか、その経緯が分かりやすく書かれていて私自身のキリスト教への距離がかなり縮まったように思う。最後に書かれた著者のお母様とのエピソードは鳥肌が立つほど感動した。2025/04/05

クマシカ

14
基礎知識が欠落しているので神学の部分は分かるところだけ拾い読み。著者の名前の由来、クリスチャンになった過程や、プリンストン大学での博士課程の勉強、余裕があったころのアメリカの話など、自伝的部分を興味深く読んだ。聖書の読み方であったり、同性愛についての解釈であったり他宗教との違いなど、入門的部分もおもしろい。たった28歳で、息子の魂の教育を神様に委ねて旅立ったお母様の信仰告白が感動的だった。自らキリスト教に入信する人こそ、救いの実感が強くぶれない信仰を持っていると思う。その意味で羨ましく思う。2025/12/13

たかぴ

4
多分、初めての著者さん。歩く様な日常的な事柄から突然に飛ぶ。これも慣れが出て来るとこれからも読めそうな書き方だな。2025/03/30

ouosou

3
森本あんりが個としての生い立ちと経歴を振り返るのについていくと、いつの間にか日本における神学の歴史に寄り添うことになる。円環を描く構成が見事。/河合隼雄の「自然(じねん)」を思い出すなど。2025/02/18

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