岩波現代文庫<br> 自由という牢獄 - 責任・公共性・資本主義

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岩波現代文庫
自由という牢獄 - 責任・公共性・資本主義

  • 著者名:大澤真幸【著】
  • 価格 ¥1,628(本体¥1,480)
  • 岩波書店(2024/11発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784006003890

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内容説明

現代社会を覆う閉塞感は,どこからくるのか.大澤自由論の理論的な輪郭が最もクリアに提示される主著が文庫に.「自由の牢獄」「責任論」「〈公共性〉の条件」の三つの章と,ドストエフスキーも援用しながら自由の困難の源泉を探り当て,〈自由〉の新しい概念を提起する章とで構成.河合隼雄学芸賞受賞作.

目次

はじめに
第1章 自由の牢獄――リベラリズムを超えて
1 リベラリズムの時代
2 自由の困難
3 身体の所有
4 閉塞であるような解放
5 無罪性と有責性
6 自由の可能条件
7 リベラリズム・アフター・リベラリズム
第2章 責任論――自由な社会の倫理的根拠として
1 責任の不発化
2 リスク社会
3 責任のもう一つの可能性
4 いくつかの提案
第3章 〈公共性〉の条件――自由と開放をいかにして両立させるのか
1 幽霊という敵
2 現れの空間
3 公共性の危機
4 「公」と「公界」
5 類と生命
6 〈普遍的公共性〉に向けて
7 もうひとつの民主主義
第4章 不・自由を記述する赤インク
1 不・自由を伝える赤インクがない
2 資本主義における格差問題
3 形式という剰余
4 自由の蒸発
5 神さえいれば
6 大審問官に応える
岩波現代文庫版あとがき
初出一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう。

20
自由とは何かはとてもむずかい問題。資本の儲けの自由だけを求めると、市民や労働者の自由は守られない。なんでも自由というのは実は自由ではない。人々が獲得してきた権利や人権を土台にして自由を考える必要があると思った。個人的には著者の論理構成はなかなか難しく疑問に思うところもあったが。2020/08/03

またの名

16
多様なニーズに合わせ無数の選択肢をご提示されても面倒臭く感じる閉塞した自由を旗印にする社会で、自由が拘束を生む地獄から不自由こそが自由を実現できる逆説への道を探る。他にも民主的討論では「ただし議論のテーブルに着けないキ◯ガイは除く」剰余の排除が働いてたり、寄付活動に報酬を与えたら成果が落ちた反市場経済的な実験等のこの社会の矛盾点を、縦横無尽に記述。早くも中動態に注目した先見性も持ちつつ、米軍基地への反感を結集したレイプの重視は今や微妙。リベラル批判を駆動する感情はその特権視に対する反発として現れてるから。2019/06/05

kuppy

3
冒頭の挿話であるように、閉じ込められた棟のどの窓からも出られる(自由な)状態では外に出られなかったのに、出ることを意識しなくなった時に自然と抜け出ている。それは多くの商品の中から選んだ時よりも限られた陳列の中から選ばざるを得ない方が満足度が高いなども同様、自由と表裏一体の不自由さ(牢獄)がある。阪神大震災時にたまたま10分早く起きたことで助かった女性と下敷きになった夫、罪の意識ではなく私が死んでいたかもしれないことで自己が不安定になり意識が浮遊してしまう、ホモサケルの下りが印象的だった。2022/02/15

コミジ

1
題名ほど中身は暗くない印象。例えば「分断」が現代の課題のひとつであり、これを克服するための「第三者の審級」を探る本と読みました。2023/07/21

ほうれん草

1
前書きがとても興味をそそるが、一章が難解で僕の読解力ではなんとなくしか理解出来なかった。 2章からはどうにか。2019/06/16

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