内容説明
ジェンダー平等をめぐる教育現場での錯綜は男子になにをもたらすか。
男子の学力不振、厄介者の男子、「男らしさ」の市場価値の下落……
男のあり方をめぐるパラドックスに迫る。「男性優位社会」日本における 男の生きづらさ とは。
目次
第1章 男子問題の時代? ―男子をめぐる論争の展開と構図―
第2章 男性支配のパラドックス ―男の生きづらさ再考―
第3章 下落する「男らしさ」の市場価値 ―産業構造の変化と男性支配の再編―
第4章 ジェンダーの正義をめぐるポリティクス ―保守・平等・自由―
第5章 個性尊重のジレンマ ―〈男女平等教育〉の実践事例から―
第6章 分けるか混ぜるか ―別学と性別特性をめぐる言説の錯綜的展開―
第7章 男子研究の方法論的展開 ―「ジェンダーと教育」研究のさらなる可能性―
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みなみ
5
各種データを見ると日本は圧倒的に男性優位社会であるという。その中で、経済的に男性に従属せざるを得ない女性も生きづらく、また、男性同士の激しい競争にさらされ「男らしさ」を求められる男性も生きづらさを抱えているという。このようなテーマが画期的であると感じました。いや、そういう内容の本は、他にもあるのでしょうが(^^;) ジェンダー平等をうたう小学校の実践で、クラスの中で力のある男子がジェンダーを逸脱しても(いわゆる女の子色を着るとか)許容されるというエピソードが心に刺さった。理想通りの教育にはならないのか…2016/07/02
Mc6ρ助
4
『・・私生活を犠牲にして働いてでも競争に勝ち抜く能力や、それによって家族を養えるだけの稼ぎを得る能力は、・・多分に男性的な意味を帯ぴている。・・そうした競争から脱落していった・・ほとんどの女性とますます多くの男性を「〈男〉 になり損ねた者」として周縁化することで、労働市場における男性支配体制を再編しつつある(p77)』『・・男の子たちに、「男らしさ」にとらわれなくてよい、・・と促すことは、・・むしろ経済的自立のチャンスを低めて彼らの人生の選択肢を狭めることにさえなりかねない。(p88)』出口が見えない・・2017/01/24
Humbaba
3
男性と女性は完全に同じではなく、様々な違いがある。その違いをどちらか一方のみが優れていると考えるようでは不公平な差別を助長することになるが、違いがある事自体は自体は否定出来ない。それをしっかりと認識した上で問題を議論しないと、正しい着地点には到達できない。2016/08/07
少穆
2
キーワード: 男女共同参画社会のゴールが定まっていない。 ジェンダーの平均的な差と個人差を同一視してはならない。 どんな教育が最も子供達一人一人にとって快適なのか。 男性はヘゲモニーを取るために「男らしさ」を志向することを義務付けられ、そこからあぶれた男を周縁化して下に見るとともに、活躍する女性は女性を名誉男性として自分たちと同じような価値観を持つことを期待する。ヘゲモニーを得るためのコスト。 自分の受けてきた教育は割と教育激動の時代だったと知って驚き。ゆとり教育って名前が悪い意味で広がって本当に不幸 2018/12/09
hideko
2
多様性の無い社会は皆が生きにくい。それを維持する事に加担する行動をしている自分が情けない。2017/06/26
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