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内容説明
人類と蛇との交渉の歴史は古くて深い。世界の諸民族には、蛇に関するいろいろな民俗が知られている。日本にも豊富にある。しかし、家畜や狩猟の対象になる動物とちがって、自然のままの蛇の利用はそれほど多様ではない。大部分は人類が文芸や宗教のなかにえがきあげてきた蛇である。そこにいるのは、「自然としての蛇」をとおして人間がさまざまな価値を与えた「文化としての蛇」である。時に嫌悪され、時に畏怖されてきた、絶対的な他者である蛇。そのような他者なる蛇が人間の文化にもたらしてきた豊饒な世界を民俗誌からひもとく、画期的な書。文庫化にあたって、新たな学説を解説として添えた決定版!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ピンガペンギン
27
1991年「蛇の宇宙誌‐蛇をめぐる民俗自然誌」の加筆修正文庫化。家に蛇を飼っていると家が繁栄すると信じられるという習俗が典型で、それは世界中にあり、1920年代頃まで各地で生きていた。神話では蛇が化身して竜と考えられているようだ。河、水と関わるので人間にとっては死活問題で、祇園社(八坂神社)も本来は蛇の神を祀っていたらしい。(P120)悪疫を鎮める神が大和の三輪山の神で、蛇の神だとされているが、悪疫を起こす力もあるとされるのだろう。オオナムジが大国主であり、破壊と再生の神であるシヴァ神と習合して大黒天→2024/12/25
らむだ
4
1991年に東京美術社より出版された「蛇の宇宙誌-蛇をめぐる民俗自然誌」を加筆・修正・改題し文庫化したもの。蛇信仰とその源泉という副題が示す通り、古今東西の蛇信仰やそれにまつわる文化を総覧した力作。2025/01/26
SOLVEIG
3
知ってた事、中途半端に聞いたことある程度の事、全く初めて知る事等々面白く読み終えた。 けっこう気になったのが《虹の橋》について。ペットが亡くなった時によく使う言葉だけれど人についてはどうなんだろう――飼い主が亡くなると虹の橋まで迎えに来てくれるなんて話も聞いたことあるから人も渡るんだろうけど……と。本書に「虹は天国への橋である」という観念があることが書かれてて興味深かった。 そして神話、民話も数々紹介されててよかった。北欧神話ではやっぱりワーグナーの「指環」が頭を過って色々と妄想が浮かんだりも。2025/01/14
志村真幸
2
1991年に東京美術から出た『蛇の宇宙誌 蛇をめぐる民俗自然誌』の文庫化。 多くの部分を小島瓔禮が執筆。西脇隆夫、大林太良、矢島文夫、飯豊道男も1章ずつを担当している。 小島は日本の蛇を担当。蛇への信仰、虹と重ねられること、水神としての蛇、蛇を飼うこと、蛇よけの呪文、落語の「蛇含草」のバリエーションのことなど。 多様な話題が次々とあらわれ、民俗的に蛇を扱うことのおもしろさがよく伝わってきた。 西脇は中国、大林はインド・東南アジア、矢島は西アジアとヨーロッパ、飯豊はヨーロッパ。 2025/08/31
Go Extreme
1
カオスからコスモスへの根源的な力 生ける神としての蛇 昇天する蛇 異形の蛇の伝承 境界を守る蛇 畏怖の対象と聖地 神の象徴としての蛇 三輪山の蛇信仰 金毘羅神と水神 虹は天の蛇 虹が蛇の通路 虹を指さすタブー 雨乞いの蛇 田の神としての蛇 水利支配と蛇 瓜の中の蛇 御霊信仰と祇園信仰 蛇憑きと富 先祖代々の蛇飼育 蛇の強い蘇生力 蛇と呪術の結びつき 蛇の多様なイメージ 死と再生の象徴 ツチノコの怪異な姿 世界の竜蛇神話 家の守り神と富の象徴 白蛇伝の民間習俗 脱皮する蛇の再生力 ハブ除けの呪文と習俗2025/04/13




