内容説明
ココ・アパートメント――心地よい暮らしを作るために住人が協働するコミュニティ型マンション。住人たちが一緒にダイニングルームで食事する「コハン」があったり、互いの子供を預けあったりする一方で、個人の独立性も重視した住まい。家族と離れて暮らす男子高生、結婚を前に惑うカップル、シングル家庭の親子、秘められた過去を背負う老女……。それぞれの胸の裡を繊細に浮かびあがらせながら、多世代の心の交流を温かな筆致で描く。静かな感動を呼ぶ連作小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
150
良かった。じんわりと、体中の細胞が修復されていくような優しい気持の読後感。人間だもの老若男女問わず、それぞれに抱えてるもの、内に棲む思いはある。どれが正解なんてその時は分からない。わからないままか、時を経て分かる思いもある・・こんな隣人関係は好いなぁ。こんな場所が在ったら私もと思う。康子さんいつまでも元気でいてね。今頃ですがお薦めです。2025/03/09
モルク
138
コミュニティマンション「ココ・アパートメント」の住人たちを主人公にした連作。部屋は独立しているが水回りを共有し、大きなダイニングルームとランドリーがある。月に数回当番が食事を作り皆で食事会「コハン」をし、掃除当番もある。任は世帯ではなく個人。夫の当番を妻が肩代わりできないなんてとてもいい!適度な距離感を保つのも大変だが訳あり住人たちは何だか楽しそう。父の海外転勤で一人残ったエリート高校生、モラハラ夫とやっと離婚した女性、訛りが酷いが実は凄い経験をしてきた老婆の話がいい。とてもハートウォーミングな作品。2025/09/07
hirokun
118
★4 北欧スタイルのコミュニティ型・マンションを舞台に、様々な性格・環境下にある人々の関わり合いを描いた連作短編集。作品に登場する人物を私自身の性格と比較しながら読み進めた。私の特徴として本来的には内向的で、人との関わりを煩わしく感じる傾向があり、作品に登場するマンションで済むことは困難だろうと思った。他人とのコミュニケーションをとる事は、信頼関係をもたらすこともあるが一方で、最大のストレス要因として機能することもありなかなか難しい。作品としては、読後の心持が温かくなるのだが・・・2024/12/24
シナモン
111
人は人との関わりが煩わしいと思う反面、人との繋がりを知らず知らず求めてしまうものなのだろう。いい塩梅の隣人、大切にしていこう。2025/02/02
チーママ
89
多世代の住人が暮らすコミュニティ型マンションを舞台に住人たちの交流とそれぞれの人間模様を描いた連作短編集。なかなかヘビーな話が多めだったが、当番制で得意料理をふるまうコハンが楽しそうだった。料理が苦手な人にはプレッシャーを感じそうなミッションだが、一緒に料理を作ったり共に食事を味わうだけで心の距離は近くなる。一人では抱えきれない悩みも、共有のリビングにいる誰かに話を聞いてもらえば心は軽くなるかもしれない。プライバシーはちゃんと守られているようだし、こんな居場所があったら助かる人はいるんじゃないかな。2025/05/16




