内容説明
昭和・光と影
上海事変に際し、破壊筒を抱えて敵陣に飛び込んで自らの身を散らせた三人の工兵──爆弾三勇士。軍国主義下の日本において、彼らはいかにして神に仕立て上げられたのか。その一方、なぜ“軍神”として祀られることはなかったのか。
天皇をめぐる民衆の心性に肉薄した記録文学の記念碑的作品。
〈解説〉阿部謹也、〈巻末エッセイ〉髙山文彦
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
176
爆弾を抱えて敵の鉄条網に突っ込み「天皇陛下萬歳」を唱えて散っていったとされる三勇士。これが小学校の教科書に載ったことには重大な意味がある。著者は〈天皇〉と〈死〉が結びつくことで、双方が実体を持ち得たという。〈いわれのない神〉と〈いわれのない死〉の強固な結びつきに日本軍国主義のからくりがあったのだ。今改めて国語教材として「三勇士」を読むと異様な衝撃を受ける。これが柔らかい心に鋳型のように圧し付けられたのかと思うと痛々しい。のみならず三勇士像は彼らの死を辱めるためにも使われた。彼らは軍神になれない民草だった。2025/06/19
ケイトKATE
17
昔、昭和史の特番で肉弾三勇士(爆弾三勇士)が映っていた。肉弾三勇士が大流行して、銅像が建造され、教科書に載ったり、歌が作られたという話に、私は辟易したことを覚えている。『天皇陛下萬歳』は爆弾三勇士となった兵士たちの実像と、なぜ祭り上げられたのか迫っている。本書では取材の関係上、爆弾三勇士の一人である江下武二が大きく取り上げられている。江下は炭鉱夫一家の息子として、非常に過酷な環境で生きていた。貧しい境遇のから戦争で劇的な最期を遂げたことから、英雄視される当時の日本に切なさと虚しさが混在する気持ちになった。2025/10/01
フンフン
9
何を言いたいのか。巻末の解説に言うように「本書は問いも答えも踏み込み不足」である。いったい3人が自爆したのは事故だったのか、本当に自爆覚悟だったのか。3人のうちに被差別部落出身者はいたのかいなかったのか。何一つ解明せず、疑惑の投げっぱなしに終わっている。天皇教カルトについても、なぜそうなるのかちっともわからん。著者は超エリート大学として知られる満州建国在学中に召集。戦後京都大学中退とのことだが、ヘーゲルの『宗教哲学』ぐらい勉強しろよ。2026/05/26
Go Extreme
2
夕刊フクニチ新聞→季刊『辺境』 坑夫の神様→爆弾三銃士序説→天皇陛下萬歳 ひたすら天皇のために身命を捧げる・おのが栄光として死んでいった兵士の鎮魂 天皇陛下の赤子・大元帥陛下の股肱 逃れがたい業担きの宿命 上海事変・廟行鎮の華と散った爆弾三勇士 犠牲になった兵士を美化・唱えもしない言葉を唱えさせることは許されず 部落民伝説 広島の地獄→地獄そのものを生きるよりほかなかった いわれなき神の正体2024/12/24
isbm
1
★★★☆2025/08/01
-
- 電子書籍
- 戦争の犬たち【上下 合本版】 角川文庫
-
- 電子書籍
- 青春鉄道 Histories 4 MF…
-
- 電子書籍
- 「梅澤式」だと、なぜ超ヒット商品がこん…
-
- 電子書籍
- 東大博士が書いた 石橋を叩いてでも成功…




