内容説明
怪談師を生業としている三咲は、訳あって“本当に人が死ぬ”怪談を探している。相棒は「呪いか祟りで死にたい」というカナちゃんだ。新たな怪談が見つかると、死ねるかどうか確かめてくれる。
ある日、カナちゃんが「釣ると死ぬ魚」の噂を聞きつける。静岡県のある川の河口付近で見たこともない魚を釣った人が、数日のうちに死んでしまったというのだ。類似する怪談を知らなかった三咲は、噂の発生源を辿って取材を始める。すると、その川沿いには不思議なほどに怪談の舞台が集まっていることが分かってきた。これは偶然か、それとも狗竜川には怪異の原因が隠されているのだろうか。
自分が生涯追い求めてきた“本物”の怪談の気配を感じ、三咲は調査にのめりこんでいく。しかし、うまくいくということは、カナちゃんが死んでしまうということだ。自分はそれを望んでいるのだろうか――?
解説:小野不由美
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
57
死に至る怪談を探す女と、その怪談をなぞって呪いだか祟りで死にたい女が“釣り上げると死ぬ魚”を求めて探索を開始する。彼女たちはいずれも過去にあった身近な存在の死に囚われている。自分たちの生に意味を見い出せない彼女たちの疑問は「死ぬ事に意味はあるのだろうか?」と云う事なのだろうか?怪談の実在を見つけ出せたならば、そこに答えを見い出すことになるのだろうか?それこそ死んでみなければわからない話だがそれは生きているから実感する事で死んでしまえば元も子もない。しかし人が怪談を求めるのは怪異が人を呼んでいるからなのか?2026/05/24
ドアラ竜の壁
40
第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞・大賞受賞作。体験した人が本当に死ぬ怪談を探している三咲と祟りか呪いで死にたいカナちゃんが心霊スポットを巡って検証する。二人の目的の真相が分かった時、その理由に納得できた。有栖川有栖氏の「ミステリとして読める怪談」の言葉に同感。2025/06/28
annzuhime
40
人が本当に死ぬ怪談を探す女性と、呪いで死にたい女性。どこか危うくて脆い2人が死を招く怪談を探し求める。川に沿って移動する怪談。ホラー要素に加えてちゃんとミステリになってる。でもやっぱりホラー。こういうの好きです。登場人物に感情移入する感じではないけど、心のどこかを掴まれるような感じの本。そう思わせる本ってすごくいいよね。圧巻でした。横溝正史ミステリ&ホラー大賞。2025/01/02
キナコ
38
表紙買いした一冊。怪談師が主人公。人が死ぬ怪談をメインに扱うなか、ある小説のために情報をまとめている中で怪異の繋がりに気づく。山奥にあるカルト集団や姿が曖昧な怪異など、個人的な好みが敷き詰められていた。ホラー民族モノが好きな人にはオススメ。2025/02/25
なつくさ
36
初読みの作家さん。横溝正史ミステリ&ホラー大賞作品。人が本当に死ぬ怪談を探す三咲と呪いか祟りで死にたいカナちゃん。釣り上げたら死ぬ魚の話を追う二人だったが……。ホラーは苦手なのだけれど、帯に書かれた選評が気になり読んでみました。ホラーよりもミステリ色が強い作品でした。無理やり感が気になってしまいましたが、怪談や話を一つの生物かのように扱うところが新鮮に感じました。伝説等は話に尾ひれがついてとして成るもので、虚魚とは言い得て妙なタイトルだと感じました。2024/12/28




