ワルイコいねが

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ワルイコいねが

  • 著者名:安東みきえ【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 講談社(2024/11発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065360200

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内容説明

あの転校生の辻アキトだ。
ジャンパーにジーンズの辻さんは電柱のうしろにかくれるようにして、お寺をじっと見つめていた。
道をへだてたところにいるあたしには気づいていないようすだ。
しんせきの集まりできたのだろうか。いや、それならば同じように黒い服を着るだろうし、かくれてながめる必要はない。
めずらしいのか。
おそうしきや法事といった風習が、前に住んでいた町とはちがっていいて、何かよほどきょうみをひかれるところがあるのだろうか。
まったく周囲に注意をはらっていないほどの真剣さが不思議だった。(本文より)


あらすじーー「うっかり自分の考えを言わないのがせいかいなのだ」と思いつつ、そんな自分を少しみみっちい性格だと思っている美海は、正直になんでも言いすぎて「性格が悪い」とクラスメートから言われている隣のクラスに転校してきた辻アキトと仲良くなる。

アキトは別に悪い子ではなく、少し変わっているだけだと思っていた美海だが、
やがてアキトがお寺だのおそうしきだの、不吉な場所にばかり興味を持ったりお年寄りに厳しい様子を何度か見てしまい胸がざわざわしてくる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

☆よいこ

80
YA。児童書。小学6年の美海(みみ)は、周りを気にして自分の意見を飲み込む子だった。美海は、隣のクラスに転校してきた津田アキトの長身で美人なところに憧れた。けれどもアキトはとても変わり者で、思ったことは何でも言葉に出して人を傷つけても関しない。書道教室が一緒になった美海とアキトは友だちになるが、美海はマイペースなアキトに振り回される▽「鬼電」の悪影響がここに描かれる。子どもを脅かして言うこと聞かせようなんてとんでもない。秋田のなまはげは「守ってくれる大人がいる」ことが大事。2024.11刊2025/03/07

chimako

72
空気ばかり読んで本当のことが言えない美海。同学年に興味のあることに一直線で何でも口に出してしまうアキトが転校して来た。思ったことを躊躇なく言ってしまい顰蹙を買うアキトはたぶんそういう特性を持った子どもなのだろう。人が死ぬことに対する興味は大切なおじいさんを亡くした事に由来するのだが、思いきり変な子だと思われてしまう。そんなアキトと付き合ううちに美海は自分を偽っていることにふんぎりをつけ、仲良しのヤエちゃんに「本当はポン菓子は嫌い」と本当の気持ちを伝える。子どもだから結構勇気いるよね。なかなかの一冊。2025/02/14

たまきら

39
隣のクラスに越してきた、ちょっと素敵で、かなり変わっている転校生。お年寄りに「もうすぐ死ぬの?」と尋ねたり、葬儀場をうろつく転校生に引きつつも、目が放せない主人公。最後に謎が解けるとき、タイトルの意味がわかります。こういう小さなトラウマを重ねて、人は成長していくんだよね。2025/04/16

かな

37
自分の思ったことを一旦のみこみ差しさわりのない言動をとる美海、秋田から転校してきたアキト(亜希人)は自分の考えを思ったまま言葉にする。美海は人に合わせる言動をとるごとに自分を失っていくことに気づく。アキトは老人の死について興味を持っている。果たしてそれは良いことなのか、なぜ死に興味をもつのか? 物語の終盤にて明かされるアキトの謎。小学6年生の二人の女の子の成長譚。それと、なまはげの意味について書かれていたが、実際にそうなのかどうかはわからないけど、なんかいいなと思った。2025/01/15

takaC

30
転校生の亜希人との交流で美海と二人が共に成長していく話。思わぬめっけもの。「はたはた屋」エピソードで終わらずにあと一章くらい読ませて欲しいと思ってしまうのは、大人の擦れた感覚なのかな。2024/12/28

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