講談社学術文庫<br> 道徳を基礎づける 孟子vs.カント、ルソー、ニーチェ

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講談社学術文庫
道徳を基礎づける 孟子vs.カント、ルソー、ニーチェ

  • ISBN:9784062924740

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内容説明

孟子とカント、ルソー、ニーチェ。中国哲学と西洋哲学を往還しながら、人間の道徳の根拠を問う、現代フランス思想の旗手のよるスリリングな著作が、ついに文庫化! 東浩紀氏も絶賛する注目の書。
西洋哲学、東洋思想という枠を軽々と乗り越え、普遍に迫ろうとする知の力を堪能してください。

目次

1.憐れみをめぐる問題
2.性と生について
3.他者への責任
4.意志と自由
5.幸福と道徳の関係
訳者解題――存在と道徳への問い直し

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅん

18
西洋哲学界で「オワコン」になっていた「道徳の基礎付け」を孟子を介することで再起動させる。面白いのは、孟子が道徳を形而上学的な存在、つまり神を一切通さずに語っていることで、ジュリアンはここにカントと孟子の対立点をみている。中国思想の神の不在というのは非常に興味深い論点だと感じたし、形而上学を否定しながら本来性を志向するハイデガーと孟子を比較するとさらに面白いかもしれない。「道徳」という忘れ去られたテーマがここにきて再浮上するのは社会の混迷を裏付けている気もします。2018/02/11

テツ

16
タイトルの「孟子vs.カント、ルソー、ニーチェ」に惹かれて購入。中華の思想、孟子の道徳と西洋哲学が語り到達した道徳とを対比させる流れは僕のようなアホにでも考えることが多かった。「善く生きること」が道徳の目指す姿であるのなら、それはそれが語られている時代の社会とは切り離せないモノであり、意識的でないにしろ自らが生きる社会で得をするために社会通念上のありふれた道徳規範を守るというのは正しい生き方なんだろうか。あたりまえに語る自分の中の道徳って本当に自分が考えて選び取った善い行いなんだろうか。難しい。2018/01/10

おっとー

11
定言命法がんじがらめのカント、憐れみを発見しつつも自分を崩さないルソー、道徳を系譜づけるニーチェ。これらを経た現代思想の最先端にいたのは意外にも孟子だった。孟子が提起する即時的な憐れみ(忍びざる心)は、意志の介在なく生じ、利害の計算を越え、目的を無視する。「牛を助け、代わりに羊を供物にせよ」といった王は決して愚かではない。むしろ「羊はどうなるんだ」とかドヤ顔でいい放つ我々のほうがくだらない。それは欲望にまみれ、未来と利益しか志向しない性悪な人間の末期症状である。道徳は目的なきプロセスでなければならない。2018/06/11

いとう・しんご

9
読友さんきっかけ。東の横綱、孟子には西の横綱、カントでハッケヨイという本。しかし、カントを論ずるのに「判断力批判」に一切言及しないこと、キリスト教会がもたらしたギリシャ思想と近代西欧思想の不連続に言及していないこと、道教や禅者の思想が視野の外に置かれていることなどなど、色々と違和感があって、読んでいて身が入らなかった。それゆえ訳者による力の入った解説はパス。多分、バカロレア受験準備中の高校生向け読み物として構想されたんだろうなぁ、と思いました。2026/03/26

CCC

8
十八世紀のヨーロッパの道徳と孟子の道徳の論理を比較することで、道徳を考えることの復権を目論んだ一冊。今は道徳は倫理という言葉で誤魔化されている、という話はちょっと納得。そういう面はある。東西の道徳の比較という体裁になっているが、実際は孟子論が中心だったように思う。孟子は光のマキャベリ説なんかは面白い指摘だった。マキャベリにとっての力が孟子にとっての徳だった。自分が(マキャベリはさておき)孟子に少し苦手意識を持った理由の一端が見えた気がする。ただその後現実との矛盾を悟った節もあるようだ。2026/03/25

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