内容説明
アレックス・イーストンはヨーロッパの小国ガラシアの退役軍人だ。旧友マデリン・アッシャーから病気だという手紙をもらい、アッシャー家の館を訪ねてきた。不気味な沼のほとりに立つ館は陰気で憂鬱で、久しぶりに会ったマデリンの兄ロデリックはやせ衰え、目は落ちくぼみひどい有様だった。マデリンも見るからに病が重そうで、今にも息絶えそうなのにもかかわらず、夜には夢遊病者のように歩き回る。そして悲劇が……。ヒューゴー賞、ローカス賞、ミソピーイク賞などを受賞した著者がポオの「アッシャー家の崩壊」に捧げた傑作ゴシックホラー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Shun
28
旧友からの手紙でアッシャー家を訪れたイーストンは、不自然に瘦せ衰えた兄ロデリックと妹マデリンの姿に衝撃を受ける。それにこのアッシャー家の崩壊しかけている館の様子も、周辺の沼地や森の不穏な生態系が悪影響を及ぼしているのだと想像するのに難くない非常に居心地の悪い雰囲気を醸している。言うまでもなく本作はポーの「アッシャー家の崩壊」をオマージュした作品であり、この館と兄弟を蝕んでいる何か得体の知れないモノとの関連は何らかのメタファなのだろうか。かと思えば奇妙なモノの正体はまさかと思えるものでこれはこれで怖ろしい。2025/01/26
柊渚
21
「そのキノコの傘の裏側のひだは、切断された筋肉の濃くて赤い色をしていた」見てください、冒頭から胸が高鳴るこの一文。ポーの『アッシャー家の崩壊』を踏襲しつつ、原作では曖昧だった“不気味さ”などを著者なりの解釈で再構築した物語。原作は言わずと知れたゴシックホラーの原典なのですが、アッシャー兄妹の背景を深く掘り下げ、原作とは異なる要素を織り交ぜながら、迎えるクライマックスの恐ろしさといったら… なによりヴィジュアルのインパクトが凄まじいことになっています笑。原作への愛を感じられる素敵なオマージュでした🫶🏻2025/09/12
ふるい
6
ポーの「アッシャー家の崩壊」のオマージュ作。アッシャー兄妹を襲う悲劇の原因が○○○であったら、というアイディアが面白い。語り手である主人公イーストンはヨーロッパの架空の小国出身の退役軍人という設定で、なかなか魅力的な人物だった。イーストンが登場する続編もあるそうなので、邦訳が出たら読んでみたい。2024/12/31
TI
5
ポーの「アッシャー家の崩壊」のオマージュ。以外にもバイオホラーであった。2025/06/30
roki03
2
夏なのでホラーを、と思って手に取ったらポーの「アッシャー家の崩壊」読んでからの方が良さげであることを知り、先に元ネタ?読んでから読みました。ポーの時代と今の時代の感覚の違いが如実に出ているなーというのが相対的な感想。やはり、ポーの方が漠然とした怖さはある。でもこちらの作品もぜひ映像化したら観てみたい。監督はギレルモ・デル・トロ氏で2025/07/26
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