内容説明
アレックス・イーストンはヨーロッパの小国ガラシアの退役軍人だ。旧友マデリン・アッシャーから病気だという手紙をもらい、アッシャー家の館を訪ねてきた。不気味な沼のほとりに立つ館は陰気で憂鬱で、久しぶりに会ったマデリンの兄ロデリックはやせ衰え、目は落ちくぼみひどい有様だった。マデリンも見るからに病が重そうで、今にも息絶えそうなのにもかかわらず、夜には夢遊病者のように歩き回る。そして悲劇が……。ヒューゴー賞、ローカス賞、ミソピーイク賞などを受賞した著者がポオの「アッシャー家の崩壊」に捧げた傑作ゴシックホラー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
52
『アッシャー家の崩壊』をベースに創作された作品であるが、その崩壊に至る説明の部分にホジスンの『夜の声』を思い浮かべた(マタンゴと云った方が解りやすいだろうか)が、どちらかと云えばオールディスの『地球の長い午後』を連想させる。この作品ではポーの原作に感じる「なんだかわからないが雰囲気的に崩壊した」的な曖昧さは無く、その原因は明確に推論されている。ゴシックホラーが感染と云う恐怖に塗り込められてしまったという印象を持った。何より語り手の宣誓軍人と云う立場の女性からの視点が物語を自然な感じに纏めあげているようだ。2025/11/10
Shun
28
旧友からの手紙でアッシャー家を訪れたイーストンは、不自然に瘦せ衰えた兄ロデリックと妹マデリンの姿に衝撃を受ける。それにこのアッシャー家の崩壊しかけている館の様子も、周辺の沼地や森の不穏な生態系が悪影響を及ぼしているのだと想像するのに難くない非常に居心地の悪い雰囲気を醸している。言うまでもなく本作はポーの「アッシャー家の崩壊」をオマージュした作品であり、この館と兄弟を蝕んでいる何か得体の知れないモノとの関連は何らかのメタファなのだろうか。かと思えば奇妙なモノの正体はまさかと思えるものでこれはこれで怖ろしい。2025/01/26
柊渚
22
「そのキノコの傘の裏側のひだは、切断された筋肉の濃くて赤い色をしていた」見てください、冒頭から胸が高鳴るこの一文。ポーの『アッシャー家の崩壊』を踏襲しつつ、原作では曖昧だった“不気味さ”などを著者なりの解釈で再構築した物語。原作は言わずと知れたゴシックホラーの原典なのですが、アッシャー兄妹の背景を深く掘り下げ、原作とは異なる要素を織り交ぜながら、迎えるクライマックスの恐ろしさといったら… なによりヴィジュアルのインパクトが凄まじいことになっています笑。原作への愛を感じられる素敵なオマージュでした🫶🏻2025/09/12
ふるい
6
ポーの「アッシャー家の崩壊」のオマージュ作。アッシャー兄妹を襲う悲劇の原因が○○○であったら、というアイディアが面白い。語り手である主人公イーストンはヨーロッパの架空の小国出身の退役軍人という設定で、なかなか魅力的な人物だった。イーストンが登場する続編もあるそうなので、邦訳が出たら読んでみたい。2024/12/31
TI
5
ポーの「アッシャー家の崩壊」のオマージュ。以外にもバイオホラーであった。2025/06/30
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