内容説明
昨日行った居酒屋が消えた? 引き出しのお金が四万七千円も増えていた? だれも死んでいないのに姉が四方八方に喪中はがきを送りつけていた? ミステリ談義の集まりにひとりゲストをお呼びして、毎回カフェ〈アンブル〉でゆるゆると行う推理合戦。それなりにみんながんばるのだけど、いつも謎を解き明かすのは店長の茶畑さんなのだった。──もっと気軽に謎解きを楽しみたいと思っていた皆さんへ贈る、ほがらかなパズル・ストーリー7編。期待の新鋭がデビューを果たした安楽椅子探偵シリーズ第1弾。/【目次】コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎/コージーボーイズ、あるいはありえざるアレルギーの謎/コージーボーイズ、あるいはコーギー犬とトリカブトの謎/コージーボーイズ、あるいはロボットはなぜ壊される/コージーボーイズ、あるいは謎の喪中はがき/コージーボーイズ、あるいは見知らぬ十万円の謎/コージーボーイズ、あるいは郷土史症候群/単行本版あとがき/文庫版あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ち~
27
黒後家蜘蛛の会スタイルの短編7話。作風も登場人物も飾り気ないのがかえって良く、抜群に魅力的。各話の最後に添えられた作者コメントまで楽しめる。もっと読みたい!と思ったら続編が出るようで嬉しい。2024/12/26
えむむ
7
黒後家蜘蛛の会が好きなので、とても満足!次作も出るようで楽しみ!2025/01/22
huraki
6
作家や古本屋、小説の愛好家たちがカフェに集まり、ゲストによって持ち込まれた謎について皆で推理していく。消えた居酒屋や壊されたロボット、死人がいないのに送付された喪中はがき。気軽にミステリ談義を楽しみつつ、店長の推論に驚かされる。アレルギーの謎が良かった。2025/02/01
Urmnaf
4
好事家が集う飲食店で、談論風発の中示されるミステリに侃々諤々の議論(多重解決)の末、真の解決を示すのが議論のメンバーではなく、店の店員。とくれば、もちろん黒後家蜘蛛の会。本作ではカフェ・アンブルに集うコージーミステリ好きの出版関係者4人の会。日常の謎と言うには少し違う事件もあるが、概ね平和で些細な謎について語らう。本家ほどメンバーのウンチク語りがないけれど、軽い語り口でサクサク読めるのが良い。2025/01/10
Tatsuo Ohtaka
3
アイザック・アシモフ「黒後家蜘蛛の会」のオマージュとなる7編を収録。各編のあとに付記があるところも同じなのが、ファンにはかえってうれしかったりする。個人的な好みは、引き出しに入れた5万3千円が10万円にが増えている「あるいは見知らぬ十万円の謎」。額が絶妙(笑)。2024/12/24