内容説明
昨日行った居酒屋が消えた? 引き出しのお金が四万七千円も増えていた? だれも死んでいないのに姉が四方八方に喪中はがきを送りつけていた? ミステリ談義の集まりにひとりゲストをお呼びして、毎回カフェ〈アンブル〉でゆるゆると行う推理合戦。それなりにみんながんばるのだけど、いつも謎を解き明かすのは店長の茶畑さんなのだった。──もっと気軽に謎解きを楽しみたいと思っていた皆さんへ贈る、ほがらかなパズル・ストーリー7編。期待の新鋭がデビューを果たした安楽椅子探偵シリーズ第1弾。/【目次】コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎/コージーボーイズ、あるいはありえざるアレルギーの謎/コージーボーイズ、あるいはコーギー犬とトリカブトの謎/コージーボーイズ、あるいはロボットはなぜ壊される/コージーボーイズ、あるいは謎の喪中はがき/コージーボーイズ、あるいは見知らぬ十万円の謎/コージーボーイズ、あるいは郷土史症候群/単行本版あとがき/文庫版あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
したっぱ店員
43
カフェに集まる人々がちょっとした謎をわいわい考察、最後に振られたマスターが真相をさくっと言い当てる、マスター無双な短編集。謎もそれほど複雑ではないので想像のつくものもあったけど、本当に文字通りコージーにお茶しながら気軽に読めてまずまず。喪中はがきの話が「そこまでする?」と思ったけど面白かった。2025/02/12
ち~
27
黒後家蜘蛛の会スタイルの短編7話。作風も登場人物も飾り気ないのがかえって良く、抜群に魅力的。各話の最後に添えられた作者コメントまで楽しめる。もっと読みたい!と思ったら続編が出るようで嬉しい。2024/12/26
よっち
19
カフェ〈アンブル〉でコージーミステリー談義を楽しむ《コージーボーイズの集い》。参加メンバーが各々の推理を披露していく中で、マスター茶畑が謎を解き明かす連作ミステリ。ミステリ談義の集まりにひとりゲストをお呼びして、毎回カフェでゆるゆると行う推理合戦消えた居酒屋の謎、ありえざるアレルギーの謎、コーギー犬とトリカブトの謎、ロボットはなぜ壊されるのか、謎の喪中はがき、見知らぬ10万円の謎、郷土史症候群。鋭いマスターの推理もなかなか良かったですけど、ミステリ好きが集まって繰り広げるやりとりがなかなか楽しかったです。2025/02/12
さやなか
18
面白い。コージーと名が付くように堅苦しくも、重苦しくもなく、さらっと読めます。語り手の編集者の夏川を含む4人が今日も今日とてカフェ「アンブル」でミステリー談議。毎回持ち込まれる謎はライトな感じなのだけど何故に??と引き込まれる。各話の結末の爽快感も実に佳き。(茶畑さんみたいな店長のカフェに行ってみたい!)最近思った事だが先日読んだ五条紀夫著の「殺人事件に巻き込まれ~メロス」もそうだが、ある本がキッカケで古典文学に目覚めちゃうって事があるようで、まさに「原点回帰」なのである。2025/06/09
斉藤フィオナ
14
アシモフの「黒後家蜘蛛の会」に手本をとった、一話ごとに付記につける形式も「黒後家」にならった安楽椅子探偵もの。コージーボーイズが集まる喫茶店のマスター田所さんの佇まいは間違いなく「黒後家」のヘンリー。7編のなかでは最初の「消えた居酒屋」と「郷土史症候群」がなるほど、さもありなん、と得心。逆に「喪中はがき」の話はあまりに現実離れしていて????持ち込まれる謎の内容が硬軟さまざまであるのは良いが謎解きに対する納得度が自分にはバラバラであったことが不満。2025/03/09