幻冬舎単行本<br> パンとペンの事件簿

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幻冬舎単行本
パンとペンの事件簿

  • 著者名:柳広司【著】
  • 価格 ¥1,672(本体¥1,520)
  • 幻冬舎(2024/11発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344043794

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内容説明

新聞雑誌の原稿に、翻訳、暗号文の解読……。
文章に関する依頼、何でも引き受けます。
どんな無理難題もペン一本で解決してみせる〝売文社″のもとには、
今日も不思議な依頼が持ち込まれて――。

ある日、暴漢に襲われた“ぼく”を救ってくれた風変りな人々。彼らは「文章に関する依頼であれば、何でも引き受けます」という変わった看板を掲げる会社――その名も「売文社」の人たちだった。さらに社長の堺利彦さんを始め、この会社の人間は皆が皆、世間が極悪人と呼ぶ社会主義者だという。そんな怪しい集団を信じていいのか? 悩む“ぼく”に対して、堺さんはある方法で暴漢を退治してやると持ち掛けるが……。
暗号解読ミッション、人攫いグループの調査……。社に持ち込まれる数々の事件を、「売文社一味」はペンの力で解決する!
世の不条理に知恵とユーモアで立ち向かえ。驚きと感動が詰まった珠玉の推理録!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

214
柳 広司は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 本書で、社会主義者 堺 利彦の存在を初めて知りました。 著者は、軽いタッチで描いていて読みやすいですが、実際はかなり弾圧されて厳しい時代だったんでしょうね。 https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344043794/2024/12/28

のぶ

119
明治の激動の時代を舞台とした話。爪弾きにされた社会主義者たちの日々起こる事件を、誰にでも読みやすく書かれている。本作で描かれている社会主義とは、現在当たり前に思っている、男女平等、女性も働く権利がある、金持ちだけが得をしない、長時間労働だめみたいなもののようだ。自分が知っている実在の人物がモデルになっていて、リアル感があり読んでいて興味深かった。この時代の日本が思想を自由に持てなかったのかと思うと、当時の民主主義はまだ創成期だったのだろう。時代を思って楽しく読んだ。2024/12/18

クプクプ

72
この作品のオーディブルが、いいらしいですが、私は紙の本で読みました。扱っているテーマは重いですが、いつもの柳広司の書き方で、物語は軽快に進んでいきます。時代背景や、裁判や出版のことがわかり、大成功とまでは、いかないものの、読んでよかった、と思える読書でした。♪ラメチャッタラ、ギッチョンチョンでパイのパイのパイという曲が出てきますが、その曲から推察するに、2019年の周防正行監督の「カツベン!」という映画と時代背景が重なるのかもしれません。雰囲気を楽しみたい方は「カツベン!」を、ぜひご覧ください。2025/04/13

まこみや

71
堺利彦と「売文社」の周辺をモデルにしているけれど、小説自体はさらりと書かれていて格別深刻な風はない。少し前になるけれど、著者は岩波の『図書』に隔月で時事エッセイを寄稿していた。そこで一貫した態度は、端的に言えば、「安倍政権の欺瞞と権力による専制」への怒りと告発だったように思う。柳広司氏が今なぜこのような小説を書こうとしたか、言い換えればなぜ「堺利彦と『売文社』」に関心を持つに至ったか、その動機に自ずと思いを馳せざるをえないのである。2025/03/12

ばう

67
★★★ 主人公「ぼく」を助けてくれたのは「売文社」という会社の面々。この会社働くのは社会主義者、受ける仕事は文章に関する依頼何でもという変わった会社。時々変わった依頼もやって来る。その謎を解く売文社の皆に「ぼく」も巻き込まれていく。大正時代、社会主義が危険視される世の中で彼等は何だかカラッと明るくとても前向きに生きている。堺利彦、大杉栄、平塚らいてうその他実在の人物が登場、最後の話は理不尽な世の中に真っ向から勝負する彼らが清々しく、でもこの後の日本で彼らの辿る運命を考えると暗澹とした気持ちになって読了。2025/06/04

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