破れざる旗の下に

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破れざる旗の下に

  • ISBN:9784152103796

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内容説明

南北戦争下のルイジアナ。戦場での過酷な体験に苛まれ、伯父の農園で無為な日々を送る外科医のウェイド。殺人容疑を掛けられ、ウェイドの助けを借りて農園から脱走した奴隷女性のハンナ。さまざまな運命に翻弄される彼らが、最後にたどり着いた真実とは――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒロ

104
エドガー賞最優秀長編賞受賞作で、ミステリー作品でしたが、それ以上に戦争の悲惨さをとてもリアルに伝えていたと思います。多くの登場人物の話が同時進行していく形で、南北戦争末期の南部の様子がとてもよく分かりました。特に女性は本当に困難な状況に置かれながらも、心を強く持って、この時代の逆境に立ち向かっていく様子がとても感動しました。歴史の勉強にもなりますし、色々な面からの楽しみ方がある一冊です。2024/12/09

ナミのママ

82
人を殺すということ。たとえ自分を守るためであってもそれは長く心の傷となり人生をも狂わす。1863年アメリカ南部。南北戦争の終盤、北軍・南軍に奴隷解放を掲げるゲリラ組織レッドレッグも参戦し三つ巴の戦いが繰り広げられる。農園主、傷痍軍人の甥、女奴隷、巡査、将校、さまざまな人々が登場する。当時の奴隷に対する扱いには目を覆いたくなり、アメリカの歴史の重さに圧倒されながらなんとか読み終えた。読み応えのある受賞作品だった。【2024年エドガー賞最優秀長篇賞】受賞2024/12/11

オーウェン

49
南北戦争中に伯父の農園に滞在するウェイドは、差別を受けていた奴隷のハンナを脱走させるため手を貸すが、それが思わぬ引き金を引く。 視点がそれぞれ変わっていくので、海外ものとはいえ分かり易い。 個人の独白がそのまま南北戦争の歴史となっており、立場の違う人物によって語られることが、そのまま奴隷の歴史となっていく形。 ミステリ的な味付けはあるが、それよりも戦時下にいる人間たちのドラマという感じ。2025/01/22

道楽モン

43
2024年のアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀長篇賞受賞作ということで手に取った。何これ?ミステリじゃない。ほぼ純文学の戦争小説。で、面白い。うーん、ひょっとして傑作なのかも。いや、傑作だ、これ。などという葛藤を脳内で繰り広げつつ、後半からは一気読み。舞台はアメリカの南北戦争。南軍のルイジアナにある大農園の甥っ子が主人公。農場主である伯父が買ってきた奴隷女が冤罪の殺人容疑から逃れ、生き別れた息子を探し出すという話。章ごとに語り手が代わり、大きなストーリーを描く構成。たどり着いた結末にびっくり。2024/12/09

maja

25
南北戦争下の南部。追いこまれて統制の取れていない南軍、蛮行を働く北軍、混沌とした状況を背景にして伯父の農園に身を寄せる傷痍軍人、農園の女奴隷、彼女が貸し出された農園で起きた殺人を捜査する巡査、ゲリラ組織の首領、地下鉄道を運営する奴隷廃止運動の活動家とさまざまな登場人物が語る。久々のジェイムズ・リー・バーグの新刊で楽しみにしていたがいまいち乗れないまま読み終えてしまった。ラストの画家ゴーギャンを想像するエピローグでは唐突で突飛さを感じた。2024/12/24

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