ブルーバックス<br> 不完全性定理とはなにか 完全版 ゲーデルとチューリング 天才はなにを証明したのか

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不完全性定理とはなにか 完全版 ゲーデルとチューリング 天才はなにを証明したのか

  • 著者名:竹内薫【著】
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 講談社(2024/11発売)
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  • ISBN:9784065362266

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内容説明

正しくても常に証明できるとはかぎらない。

ゲーデルの不完全性定理は、公理と推論規則から数学全体を導こうと考えていた、当時の数学界に衝撃を与えました。
チューリングは「決定問題」を考察するなかで、チューリング機械という仮想の計算機から「計算可能性と停止問題」に行き着つきます。
2人は同じことを全く別の視点から証明したのです。この天才たちの思考の軌跡を、集合論、ロジックとその過程を考えながら楽しく読み解いていきたいと思います。

「そうですね……ゲーデルは、数学者が紙と鉛筆で証明をおこなうプロセスを厳密に考察しました。その結果、算数の計算ができるような理論があったとして、その理論の内部では証明できないことがある 、という結論に達しました。で、チューリングは、証明のかわりに計算の本質を追究した結果、無限ループに陥って計算が終わるかどうかわからない、いいかえると、計算できないことがある、という結論に達しました。どうです? 似てませんか?」(「プロローグ」より)

完全版 特別対談収録!
加藤文元×竹内 薫
不完全性定理――数学と哲学の交差点から

目次

はじめに
プロローグ 「心優しきプログラマーさんの悩み」
第0章 こころの準備
公理から集合まで
いわゆる3ワカランについて
この本の構成と読み方
第1章 無限に挑んだドン・キホーテ、ゲオルク・カントール
微小説「永代就職」
まちがいだらけのカントール
無限ホテルの怪
コラム 無限ホテルのオチ
偶数も奇数も無限個あるけれど
順序数と濃度
コラム 集合で数を生む方法
対角線論法
連続体仮説とは
デデキントとの交流
カントールの最期
第2章 ラッセル卿の希望を打ち砕いたクルト・ゲーデル
微小説「魔法使いの朝」
ラテン語の文法を完全にマスターした子供
論理学超入門(真偽表)
論理学超入門(真偽表の続き)
コラム ヒルベルトの23の問題
論理学超入門(形式証明)
ペアノ算術とは
コラム プリンキピア・マテマティカとは
真であることと証明できること
嘘つきのパラドックス
ゲーデル数
コラム 現代のゲーデル数?
不完全性定理の証明の「あらすじ」
自己言及の魔物が棲んでいる
ブラックボックスの中を覗いてみる
無限に増殖する魔物たち
超数学とはなにか
コラム 次のレベルに進みたいあなたへ
コラム 完全性と2つの不完全性
スマリヤンのパズルでゲーデルの定理を
ゲーデルの最期
第3章 チューリングの辞書に「停まる」という文字はない
微小説 「は、自分の引用が前に来るとウソになる」
チューリングの肖像
友人の死と心脳問題
ケンブリッジ大学
チューリング機械とはなにか
チューリング機械の動きを見てみる
原始帰納的な計算
コラム ボナッチの息子と帰納的定義
一般帰納的
停止問題の証明のあらすじ
停止問題から不完全性へ
チューリングの死
第4章 Ω数、様相論理、エトセトラ
微小説 「ループ」
グレゴリー・チャイティンとΩ数
コラム チャイティンの「哲学」
いろいろな不完全性
様相論理から証明可能性へ
証明可能性論理と不完全性定理
物理学は影響を受けるのか
コラム あくまで私見ですが
不完全性と不確定性の関係?
視点の問題
不完全性定理と脳と宇宙
エピローグ 「とあるサイエンス作家のゲーデル遍歴」
特別対談
不完全性定理――哲学と数学の交差点から
加藤文元×竹内 薫
付録1  ベリーのパラドックスと不完全性定理
ブーロスの新しい証明の概略
付録2 「竹内流ゲーデル教程」(ええと、ようするに読書案内です)
謝辞
さくいん

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

逆丸カツハ

36
対角線論法がようやく飲み込めた。あったまいいなぁ〜。ソーカル事件のことがあるからゲーデルには触れないように独我論について書いたけど、根底的なところで繋がっている気がした。機械が計算を行えるということ、数を表記する記法を変えられるということは、やはり数や記号の実体が手続きやアルゴリズムであることを示していて、それはプラトンがピタゴラスの影響を受けて生み出したイデア論を破るものなのではないかと思った。2025/04/01

まえぞう

21
不完全性定理のポピュラーサイエンスものです。私が数学を覗くなかでも、最もついていけないのがこの不完全性定理です。著名なサイエンスライターの竹内さんですからなんとかなると期待しましたが、うっすら、ぼんやりのままです。もう一度数学ガールを読んでみます。2024/12/21

LUNE MER

16
メタ数学の代表選手でもあり、数学を専攻した人よりもむしろ文学部で哲学を専攻した人の方が馴染みがあるかもしれない?と個人的に思っているゲーデルの不完全性定理。定理の結論もかなりショッキングなのだけど、その証明方法のアイデア(対角線論法とそこに議論を落とし込むテクニック)の絶妙さ。「メチャクチャ数学のセンスがある人でないとちんぷんかんぷん」というレベルではなくて「絶対思いつかないけど、言われてみれば何とか追いかけられなくもない」というなかなかない例。読み物として普通に面白い一冊。2024/12/26

呼吸器内科医K

4
数学ガール読後に読んだけどやっぱり難しい。カントールの対角線論法やチューリングの計算機がすごいのはなんとなく分かった。でもゲーデル本人が言っていることとその筋道はやはり追えない。ぐるぐるループするような混乱にいつも陥る。あと理解できないのは「無限ホテル」だなあ。最初に「満席です」と言ってるけれども、無限に対して満席と言えるのか?後ろに部屋を一つずつずらせるなら、最初から満席じゃなくないか?と思ってしまう。2025/03/02

カッパ

4
「数学の矛盾のない理論、ある無矛盾なシステムにおいて、そのシステム内では、真だけれども証明できない数式がある、ということであり、システムの外にいる人間については、何も語ってはいない。」つまりシステムの外に立てば証明ができるのか?バージョンアップし続けると新たな理論ができるのか?若い時に読んだゲーデルエッシャーバッハを読んだ時の衝撃がよみがえりました。2025/02/13

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