シニアと職場をつなぐ - ジョブ・クラフティングの実践

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シニアと職場をつなぐ - ジョブ・クラフティングの実践

  • 著者名:岸田泰則
  • 価格 ¥4,950(本体¥4,500)
  • 学文社(2024/11発売)
  • ポイント 45pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784762032110

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内容説明

シニアが企業で働くなかで自らを活性化させる手段としてのジョブ・クラフティングに注目。

本書では、シニアに特有なジョブ・クラフティングはどのようなものなのか、
シニアにおいてもジョブ・クラフティングが有効なものなのかということを調査分析する。
シニアのジョブ・クラフティングの内実に迫ることで、シニアと職場をつなぐ実践的な示唆を提示。

ジョブ・クラフティングは、従業員が自ら主体的に仕事の範囲や仕事における
人間関係を変化させることを意味する概念であり、ジョブ・クラフティングにより
仕事をやりがいのあるものや楽しいものに変えることができる。

日本政府は、近年高齢者雇用を強力に促進させているため、日本でのシニア雇用は促進しているが、
一方シニア雇用の促進が若年者雇用を阻害するというトレードオフの関係が懸念され、
シニア年代の雇用の問題は他の世代の雇用にも影響を与える可能性がある。

シニアと若年者の仕事の奪い合いが懸念されている現状や、シニアのモチベーションの低下やシニアの生産性の低さ、
かつての部下が上司になる現象等でシニアと現役世代の双方がやりづらい状況など、さまざまな問題があるなかで、
ジョブ・クラフティングを活用することが、シニアと若年者がともに協調し、
将来への展望を描ける職場をつくるきっかけになることを願う。

目次

第1章 シニア雇用とジョブ・クラフティング
 1.シニアのジョブ・クラフティングが注目される背景
  (1)日本のシニア雇用政策の課題 / (2)「福祉的雇用」の現状
   / (3)シニアのモチベーションとジョブ・クラフティング
 2.研究の目的と構成
  (1)研究の目的 / (2)研究の意義 / (3)本書の構成 / (4)用語の説明
 コラム1  再雇用制度の問題点

第2章 シニア雇用についての学術的な捉え方
 1.シニア雇用政策とは何か
  (1)シニア雇用促進の意義と阻害要因 / (2)シニアと若年者の仕事の奪い合いはあるのか
   / (3)シニアが働きやすい職場 / (4)シニアの処遇と進退 / (5)シニアの役割創出
   / (6)シニア雇用政策の先行研究のまとめ
 2.シニアの心理に迫る
  (1)シニアの就労意欲 / (2)シニアの転機 / (3)シニアのグラウンデッド・セオリー
   / (4)エイジング心理学の理論 / (5)シニアの心理に関する先行研究のまとめ
 3.シニア雇用に関する議論のまとめ

第3章 ジョブ・クラフティングの先行研究
 1.ジョブ・クラフティングとは何か
  (1)Wrzesniewski and Dutton(2001)のジョブ・クラフティング研究
   / (2)JD-Rモデルに依拠するジョブ・クラフティング研究
   / (3)ジョブ・クラフティング研究の統合の試み
 2.ジョブ・クラフティングの先行要因とアウトカム
  (1)ジョブ・クラフティングの先行要因 / (2)ジョブ・クラフティングのアウトカム
 3.ジョブ・クラフティングとその類似概念との比較
  (1)プロアクティブ行動との比較 / (2)キャリア概念との比較
   / (3)ジョブ・デザインやI-dealsとの比較
   / (4)ジョブ・クラフティングと類似概念の相違点
   / (5)ジョブ・クラフティングの派生概念
 4.日本におけるジョブ・クラフティング研究
  (1)日本におけるジョブ・クラフティング研究の意義
   / (2)日本のジョブ・クラフティングの量的研究
   / (3)日本のジョブ・クラフティングの質的研究
   / (4)日本におけるジョブ・クラフティングの介入研究
 5.メタ分析の先行研究
  (1)量的研究のメタ分析の先行研究 / (2)質的研究のメタ分析の先行研究
 6.先行研究における課題としての縮小的ジョブ・クラフティング
 7.シニアのジョブ・クラフティング研究
 8.ジョブ・クラフティング研究のまとめ
 コラム2  シニアのジョブ・クラフティングの実例

第4章 調査デザイン
 1.リサーチ・クエスチョン
 2.分析の全体像
 3.本書のパラダイム
 4.調査方法
  (1)調査対象者の選定とデータ収集方法 / (2)倫理的配慮
 5.分析方法M-GTA
  (1)M-GTAとは何か / (2)なぜM-GTAなのか / (3)M-GTAとパラダイム
   / (4)分析のプロセス / (5)インターラクティブ性と筆者の位置
 コラム3  M-GTAのM(Modified)とは何か

第5章 X社に勤務するシニアのジョブ・クラフティング
 1.調査目的
 2.調査分析方法
  (1)調査方法 / (2)分析方法
 3.シニアの職務範囲や仕事の意味づけ,対人関係の変容プロセス
  (1)概念とカテゴリー / (2)結果図とストーリーライン / (3)定年後の現実との対峙
   / (4)仕事環境の振り返り / (5)仕事そのものの捉え直し
   / (6)仕事の捉え直しの成果 / (7)観察されたシニアのジョブ・クラフティング
 4.キャリア・ステージの変化で発現するジョブ・クラフティング
  (1)定年を起点として発現するジョブ・クラフティング / (2)第5章における研究の課題

第6章 大企業11社に勤務する再雇用者の縮小的ジョブ・クラフティング
 1.調査目的
 2.調査分析方法
  (1)調査方法 / (2)分析方法
 3.再雇用者になるプロセス
  (1)概念とカテゴリー / (2)結果図とストーリーライン / (3)改めて組織に所属すること
   / (4)定年後の新たな関わり / (5)再雇用者としての立ち位置を得る
 4.再雇用者になるプロセスにおけるジョブ・クラフティング
  (1)再雇用者になるプロセスにおける拡張的ジョブ・クラフティング
   / (2)再雇用者になるプロセスにおける縮小的ジョブ・クラフティング
   / (3)シニアの縮小的ジョブ・クラフティングの定義
   / (4)シニアの縮小的ジョブ・クラフティングの新たな知見
 コラム4  シニアの働き方をテーマにした文芸作品

第7章 上司からみたシニアの縮小的ジョブ・クラフティング
 1.調査目的
 2.調査分析方法
  (1)調査方法 / (2)分析方法
 3.シニアの上司のマネジメント
 4.シニアの縮小的ジョブ・クラフティングに対する上司の知覚
 5.シニアのジョブ・クラフティングと上司の関係性

第8章 シニアが縮小的ジョブ・クラフティングを生かすために
 1.縮小的ジョブ・クラフティングの理論的意義
  (1)貧困な仕事環境に対するコーピングとしてのジョブ・クラフティング
   / (2)定年というキャリア・ステージの変化と縮小的クラフティング
   / (3)シニアのモチベーションと縮小的認知的ジョブ・クラフティング
   / (4)縮小的ジョブ・クラフティングにおける予防焦点の効果
   / (5)上司によるジョブ・クラフティングの観察 / (6)理論的意義のまとめ
 2.縮小的ジョブ・クラフティングの実践
  (1)定年という転機の対処策としての縮小的ジョブ・クラフティング
   / (2)シニアの組織再社会化のツールとしての縮小的ジョブ・クラフティング
   / (3)能力を阻害する危険性を孕む再雇用制度
   / (4)シニアのジョブ・クラフティングが発現しやすい職種
   / (5)シニア以外の雇用者への理論応用
 3.研究の限界と今後の課題


引用・参考文献
あとがき

索 引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

難波猛

5
#読書 ◆ジョブクラフティング=自ら主体的に仕事の役割(タスク)・人間関係・認知を変化させる行動 ◆拡張的⇔縮小的JC(仕事を絞る)がある ◆仕事の意味付けを転換して主体的に再創造する ◆キャリアトランジション(転機)=準備・遭遇・適応・安定化 ◆エイジングパラドックス(加齢の喪失と幸福感向上、創造的あきらめ) ◆社会情動的選択理論(社会的繋がり等の情動を優先、生命を有限と認識、大事な人間関係に注力) ◆ワークエンゲージメント向上=自律性・フィードバック・社会的支援 ◆挫折体験の意味付け=自己変容2023/03/17

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