ジェンダーで読む映画評/書評

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ジェンダーで読む映画評/書評

  • 著者名:杉本貴代栄
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 学文社(2024/11発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784762030369

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内容説明

ジェンダーを学ぶ方、関心を抱く方のための入門書。身近にある書籍や映画を手がかりにして、ジェンダーに関連する知見を読み解いていく。
ジェンダー問題に関心を持ち、さらに関係する書籍を読み進めていく契機になる1冊。

おおまかに、ジェンダーをめぐる社会の動向を、第1段階(1980年代)、第2段階(1990年代)、
第3段階(2000年以降~現在)に分類し、この3段階のジェンダー課題を広く、
また日本だけでなく外国の問題も含めて取り上げる。

目次

Ⅰ.女性と社会福祉政策
 映画評/ 町と自分の人生のために:女たちの挑戦を描く『フラガール』
  1.石炭産業の衰退 / 2.ストーリー / 3.撮影とその周辺のエピソード

 書 評/ イエスタ・エスピン=アンデルセン著・大沢真理監訳
 『平等と効率の福祉革命:新しい女性の役割』
  1.はじめに / 2.本書の内容 / 3.解題と翻訳について
  / 4.エスピン=アンデルセンとフェミニスト研究 / 5.本書の特徴と日本の課題

 書 評/ 上野千鶴子『ケアの社会学:当事者主権の福祉社会へ』
  1.社会福祉とジェンダー / 2.本書の内容 / 3.介護保険の評価 / 4.協セクターへの期待

 映画評/ 『スタンドアップ』が描く「働く女性の権利」
  1.「男の職場」で働く女性が経験したこと / 2.男女平等雇用法の進展 / 3.現実の訴訟の経過
  / 4.アニタ・ヒル事件

 書 評/レ ナ・ドミネリ著・須藤八千代訳
 『フェミニスト・ソーシャルワーク:福祉国家・グローバリゼーション・脱専門職主義』
  1.社会福祉におけるフェミニスト研究の動向 / 2.本書の内容と特徴
  / 3.日本のソーシャルワークの課題について

 書 評/ 吉川真美子『ドメスティック・バイオレンスとジェンダー:適正手続きと被害者保護』
  1.本書の目的 / 2.問題の所在 / 3.アメリカのDV政策 / 4.2つのコメント

Ⅱ.アメリカの政策/大統領選挙をめぐる動向
 映画評/ 『ドリームガールズ』が意味する「夢」について
  1.「ブロードウエイ・ミュージカル」対「映画」 / 2.ストーリー
  / 3.ストーリーの歴史的背景
  / 4.公民権運動の進展

 映画評/ 『ミリオンダラー・ベイビー』に見るアメリカの光と影
  1.クリント・イーストウッドの注目作 / 2.「女性ボクサー」という存在
  / 3.貧困な母子世帯と社会福祉 / 4.後半の展開

 書 評/ バーバラ・エーレンライク著・曽田和子訳
 『捨てられるホワイトカラー:格差社会アメリカで仕事を探すということ』
  1.「潜入ルポ」という方法 / 2.ホワイトカラー失業者の生活 / 3.不安定化する労働・企業
  / 4.団結し,運動すること

 書 評/堤 未果『沈みゆく大国:アメリカ』
  1.アメリカの医療改革について / 2.医療保険の現状
  / 3.2つの保険制度:「単一支払い皆保険医療制度」と「公的保険オプション」
  / 4.今後の展開

 映画評/アメリカの「島の貧困」を描いた『ウィンターズ・ボーン』
  1.映画の特徴とストーリー / 2.映画の製作について / 3.ヒルビリーといわれる人々
  / 4.豊かな社会のなかでの「貧困の再発見」 / 5.映画の結末とその行方

 書 評/ J.D.ヴァンス著・関根光宏・山田文訳
 『ヒルビリー・エレジー:アメリカの繁栄から取り残された白人たち』
  1.誰がトランプ大統領を支持したのか / 2.本書の内容 / 3.ヒルビリーといわれる人たち
  / 4.白人労働者の貧困問題とトランプ大統領の今後

 書 評/ エリザベス・ウォーレン著・大橋陽訳
 『この戦いはわたしたちの戦いだ:アメリカの中間層を救う闘争』
  1.はじめに / 2.トランプ大統領の出現 / 3.アメリカの中間層の創出と崩壊
  / 4.戦うための「基本原則」とは / 5.マイケル・ムーア『華氏119』の主張
  / 6.戦い続けるために

 映画評/『ビリーブ:未来への大逆転』最高裁判事,ルース・ベイダー・ギンズバーグがたどった軌跡
  1.2019年に公開された2作 / 2.映画のストーリー / 3.最高裁判事に女性が入る
  / 4.最高裁判事に黒人が入る / 5.反トランプのアイコンとして

Ⅲ.世界の趨勢と歴史から学ぶ
 映画評/ 『かもめ食堂』に集う,普通の女たちの冒険物語
  1.口コミによるヒット / 2.ストーリー / 3.なぜ,フィンランドなのか
  / 4.フィンランドという国 / 5.新しい冒険のはじまり

 映画評/ 『ミレニアム:ドラゴン・タトゥーの女』に見る福祉国家スウェーデンの現実
  1.スウェーデン製の,スウェーデン語による映画 / 2.映画のストーリー / 3.原作と著者
  / 4.福祉国家スウェーデン / 5.映画に描かれる暴力 / 6.スウェーデンと「女性への暴力」
  / 7.福祉国家のジェンダー課題

 映画評/ 『Shall we dance?』の日米比較
  1.日米の競作 / 2.シナリオの違い / 3.「ラスト」の違い / 4.女性の現実を描くということ
 
 映画評/ 『隠された日記~母たち,娘たち~』女性解放運動がフランスにもたらしたもの
  1.映画の見どころ / 2.ストーリー / 3.1968年の5月革命 / 4.その後の進展
  / 5.なぜフランスでは出生率が高いのか─「フランス型福祉国家」の挑戦

 映画評/『オレンジと太陽』が描く,イギリスの児童移民政策を
   明らかにするソーシャルワーカーの戦い
  1.監督・原作・経過 / 2.ストーリー / 3.イギリスのソーシャルワーカーとは
  / 4.児童移民政策の目的とその後

 映画評/『砂の器』ハンセン病をめぐる差別と排除の長い歴史
  1.映画のストーリー / 2.松本清張の原作 / 3.捜査の進展と結末
  / 4.ハンセン病をめぐる政策史 / 5.TVドラマとしてリメイクされた『砂の器』
  / 6.ハンセン病をめぐる今日の現状:差別について考える

 書 評/ミ シェル・オバマ著・長尾莉紗・柴田さとみ訳
 『マイ・ストーリー』
  1.本書の成り立ち / 2.子ども時代を過ごしたシカゴの黒人街
  / 3.高等教育へと背中を押したもの
  / 4.オバマから受けた影響─自分が本当にしたいことを仕事にする
  / 5.ホワイトハウスを後にして

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

katoyann

21
社会福祉学者である著者がジェンダーの観点から映画と本を評論した内容である。映画は『フラガール』、『Shall we dance?』、『砂の器』などの邦画や『ミリオンダラーベイビー』などの洋画まで幅広く取り上げられている。『ミリオンダラーベイビー』の背景にシングルマザーの貧困があり、AFDCという社会福祉制度があるのを知ることができ、タメになった。『ウィンターズ・ボーン』は見たことがないが、アメリカの貧困を知る上で興味深い内容であるとの評価なので是非見てみたい。福祉政策の勉強になるのでオススメ。2023/09/04

AR読書記録

5
現代社会は私にとっては憂鬱な話題にあふれているので、直面するのは嫌だな...と思っているものの、とはいえやはり目に見えるものの解像度を上げなければならない。そう思っているところでこの本は、ちょうど入りやすそうな入口になっているなと手に取った。取り上げられている映画・本はほぼ未見で、それもどうかなと思ったけれど、ここから観る/読むほうに進んでもよいはずなので。アメリカに関する話題は、特に最近の大統領選の報道で情報はそれなりに入っていたからわかりやすく、一方世界の趨勢では知らないことが多く大変刺激になる。2020/12/21

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