筑摩選書<br> 基軸通貨 ――ドルと円のゆくえを問いなおす

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筑摩選書
基軸通貨 ――ドルと円のゆくえを問いなおす

  • 著者名:土田陽介【著者】
  • 価格 ¥1,705(本体¥1,550)
  • 筑摩書房(2024/11発売)
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  • ISBN:9784480018090

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内容説明

現在、米ドルは基軸通貨としてますます強くなっている。なぜドルは基軸通貨になったのか。そもそも基軸通貨とは何か。基軸通貨の定義や成立経緯と、米ドルを中心に構築された現代の世界経済体制を解説し、米ドルの覇権に挑戦してきた国際通貨の歴史を検証。さらに近年における新興国のドル離れ、脱ドル化について分析し、将来的に米ドルの基軸通貨としての位置づけが揺らぐ可能性についても検討。そして日本円が米ドルとの関係の中でどうなってゆくのか、そのゆくえを展望する。

目次

はじめに──基軸通貨としての米ドルの位置づけを問い直す意義/第1章 基軸通貨とは何か/1 基軸通貨の定義と条件/基軸通貨の定義/基軸通貨の条件/基軸通貨の便益/2 基軸通貨の歴史/ペソと銀本位制/ポンドと金本位制/米ドルと金ドル本位制/【コラム】平価とは何か/3 国債本位制と世界経済/ボルカーショックとプラザ合意/米国経済の再構築と米ドル/管理通貨制度のメリット/管理通貨制度と信用力/4 米ドルの基軸通貨としての現状/外貨準備の変化と米ドル覇権/コントロールが強まる米ドル取引/米ドルの三〇年周期説を考える/第2章 ルーブル、円、ユーロと米ドル/1 ルーブル──ソ連型計画経済の挫折/国際通貨としてのソ連ルーブル/機能が制限されたソ連ルーブル/米国にかなり劣っていたソ連の国力/コメコン以外との取引でも使われたルーブル/【コラム】ソ連の外貨両替事情/2 円──財政維持の犠牲者/円の国際化構想へ向けた取り組みと挫折/貿易の現実に阻まれた円の国際化/財政維持の犠牲となった円/調達通貨として好まれるようになった円/3 ユーロ──通貨統合の限界/マルクの後継通貨ユーロ/財政危機で露呈したユーロの欠点/通貨統合の困難を体現したユーロ/ユーロ導入を拒む欧州の国々/第3章 BRICSによるドル離れ/1 進まぬ人民元の国際化/人民元の国際化の経緯と現状/為替下落と資本流出に怯える中国/構造調整圧力を抱える中国/2 ロシアの急速な人民元化/米欧との関係の悪化とドル離れ/急速に進むロシアの人民元化/中国経済に隷属するロシア/米ドルの確保に勤しむロシア国民/3 BRICS共通通貨構想/推進派であるブラジルとロシア/実現可能性に乏しい共通通貨/一枚岩ではないBRICS/【コラム】アルゼンチンで誕生した「ドル化」大統領/第4章 脱ドル化の試みとその挫折/1 暗号資産と脱ドル化/暗号資産とは何か/エルサルバドルのビットコイン化/ベネズエラの暗号資産ペトロ/マイニングによる経済成長計画/【コラム】リブラ構想の挫折/2 トルコの脱ドル化/ドル化が進む国トルコ/トルコのリラ化政策/資本規制の限界/【コラム】通貨暴落でも増えた所得/3 メキシコの脱ドル化/脱ドル化に成功したメキシコ/通貨目標から物価目標へ/問われる中銀の独立性/悪夢が正夢となるメキシコ/第5章 米ドルは盤石なのか/1 健全性を失う米国の経済運営/トランプ元大統領の誕生と政策転換/常態化する大型経済対策/少子高齢化と移民問題/2 経済制裁と米ドルの信用力/経済制裁で低下する米ドルの信用力/米共和党で議論されるドル離れ制裁/同盟国も対象にする制裁の是非/3 CBDCの登場と米ドル/CBDCとは何か/デジタルドルが持つリスク/他国のCBDCと米ドル覇権/CBDCは普及するのか/【コラム】カンボジアのCBDC/終章 基軸通貨と日本円/1 利上げと日本円/利上げができない日本/効果が限定的な資本規制/構造的な円安に直面する日本/円安と近隣窮乏化策/2 日本円と株式相場/歴史的円安と日本株/底堅い欧州株との違い/円に左右される日本株/3 基軸通貨と日本経済/世界を左右する米ドルの動き/次の基軸通貨はどの通貨か/円の行く末を展望する/参考文献/あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

122
トランプの不確実性外交に振り回される世界だが、アメリカの主張に従うしかないのは米ドルの基軸通貨としての地位が揺るがないからだ。アメリカ内部で分断と衰退が進んでも、超大国アメリカにとって代われる政治経済軍事力と金融市場を有する国はついぞ現れなかった。ソ連ルーブルや日本円は敗れ、ユーロや人民元も遠く及ばず、反米を掲げる国の国民は自国通貨よりドルを求める。日本も株高を維持するには円安でなくてはならず、アメリカの政策に一喜一憂する有様だ。今こそ健全財政の再建を訴える政治家の指導性が求められるが、無理な話だろうか。2025/03/07

ベンアル

12
図書館本。基軸通貨の定義、スペイン→イギリス→アメリカへと移った歴史、人民元や円が基軸通貨になり得ない理由など、分かりやすく説明している。2024年に出版された本なので、8月の株価暴落についても述べられており、タイムリーで分かりやすい。2025/03/17

とり

6
基軸通貨とは何か?から始まり、基軸通過になりうる条件、歴史、現状と今後についてまとめられている。基軸通貨の条件とは、その通貨を発行する国が①圧倒的な国力(経済力、政治力、軍事力)をもつ、②高度な金融市場を有している、③通貨の交換量が突出して多い、の3点と定義している。現状では米ドル以外に該当するものはなく、当分続くであろう。日本円は長期にわたる低金利政策に社会が慣れすぎて今更金利を上げることができなくなったため、投資家による円安誘導に対抗するために金利を上げるといったこともできず、ノーガードの状態が続く。2025/03/15

ゼロ投資大学

6
本書は基軸通貨の条件を三つ定義している。①極めて大きな国力を有すること②安定した金融市場を有すること③通貨取引の総量が大きいこと。第二次世界大戦後は米ドルが基軸通貨として、世界の取引で使用されてきた。国力の指標である経済力・政治力・軍事力の三つでアメリカに匹敵する国家は存在しないので米ドルの基軸通貨の座は当面揺らがない。2025/03/08

takao

2
ふむ2025/02/27

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