内容説明
また今日も、眠れない――。直木賞作家・千早茜が紡ぐ、ひとりの夜にそっと寄りそう10の物語。挿絵は人気イラストレーター・西淑。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
434
第一夜から第十夜まであり、さしずめ千早茜版『夢十夜』といったところ。ただし、本家の漱石版が「こんな夢を見た」に始まる夢の記述であったのに対して、こちらは「眠れない夜は」に始まる物語。いずれも、主人公と置かれたシチュエーションは違っている。漱石の『夢十夜』が持っていた濃密な表現はここにはないが、その代わりに軽やかなタッチでの、ある種の怪談噺のようなものがそこに現出する。第一夜「空洞」は、クッキー缶が回想と幻想の世界の入り口に読者を誘う。すなわち、お芝居の開幕を告げるのである。そして、間に八つのお話を⇒2026/08/02
nonpono
208
4時から起きている。昨日、知った本を。「眠れない夜のために」、まさにわたし?冒頭の空洞を埋めるように缶入りのクッキーを貪る様に食べる話がいい。ある時代、缶入りのクッキー缶は特別で家族で順番に何を食べるか、話をしていた。今の個包装にはない時間だね。そして次のインターネットという名の森で人を探したくなる気持ちがわかる。エゴサーチでもないし会う気力もないのに、「こんな眠れない夜は昔の男の足跡を辿ってしまう。」、悪癖。「さみしい」、やめて。本の中ではインスタントラーメンに逃げるが、わたしもチョコの甘さに逃げてる。2025/04/05
菅原孝標女@ナイスありがとうございます
184
薄い1冊だったので図書館でさくっと読了。早速千早さん2冊目。短編集だったがどの編も等しくやさしい、唄うような文章と物語だった。千早茜さん作品おすすめあれば教えてください。2026/08/31
Karl Heintz Schneider
164
10話からなる短編集。いずれにも眠れない人物が登場する。そのどれもがあまりにもリアルで、著者の実体験?と思ってしまう。「私以外の家族はみな、深い眠りに沈んでいる。そんな夜わたしはひとり森をさまよう。」不眠症の気がある私にはこの気持ちがよくわかる。そんな夜は思考の森をさまよってそしてますます眠れなくなる。「眠れないと思うとよけい眠れなくなりそう。」これも何度思ったことか。明日は早いんだから眠らなきゃ!そう思えば思うほど眠れなくなる。そして今夜もまたひとり森の中をさまようのだ。やるせない過去の記憶という森を。2025/02/13
いつでも母さん
162
これは千早さんの(絵は西淑さん)大人の絵本だ。「眠れない夜は」で始まる10の物語。どれも好い。子どもの頃、祖父母の家の夜はトイレが怖くて(トイレに続く廊下も窓も)そんなことを思い出した『木守柿』や『夜の王』切ない思いの『寝息』ラストの『仕舞いの儀式』が心に残る。眠れない夜を薬の力を借りた時期もあった・・今は枕に頭を乗せたと思ったら「朝」になってる(笑)2024/12/04




