集英社新書<br> 遊びと利他

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集英社新書
遊びと利他

  • 著者名:北村匡平【著】
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 集英社(2024/11発売)
  • 集英社 夏デジ2025 ポイント30倍キャンペーン(~8/18)
  • ポイント 330pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087213393

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内容説明

「コスパ」「タイパ」という言葉が流行し、職場や教育現場、公共施設や都市でも管理化が進む昨今。そうした流れは子供たちが遊ぶ「公園」にも押し寄せている。かつての遊具たちは安全性を理由に撤去・改装がおこなわれ、年齢制限・利用回数制限も定着しはじめた。社会に蔓延する効率化・管理化に抗うにはどうすればいいのか。そのヒントは「利他」と「場所作り」にある。東京科学大学の「利他プロジェクト」において、全国の公園と遊具のフィールドワークをしてきた著者が、自由と想像力を養う社会の在り方を考える。

目次

まえがき
序章 21世紀の遊び場
第一章 利他論――なぜ利他が議論されているのか
第二章 公園論――安全な遊び場
第三章 遊びを工学する――第二さみどり幼稚園
第四章 遊びを創り出す――羽根木プレーパーク
第五章 森で遊びを生み出す――「森と畑のようちえん いろは」
第六章 遊学論――空間を組み替える
第七章 学びと娯楽の環境
終章 利他的な場を創る
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

54
リスクvs.ハザードを踏まえた管理が前提。「余白」が管理のキモであり、求められるのが大人の胆力。加えて、余白が思考を刺激し、主体性を育む。この主体性が交錯し、自他相乗効果で更に膨らむ創造性。綺麗ごと以上に、アナログな交錯の齎す不自由さ・不便さ・不快さが、心身を鍛錬。掲載事例の3つの異なる遊び場(手段)が、この経過と結果を立証する感。新自由主義やSNS社会などの仕組みや制度ではなく、最後はそれらに魂を込めるヒト(こどもと大人)也。2025/06/28

よっち

29
職場や教育現場、公共施設や都市でも管理化が進む昨今。子供たちが遊ぶ公園にもその流れが押し寄せている状況で、他者への想像力を養う社会の在り方を考える1冊。公園が子どもたち中心から老人の利用も増えつつある中で、安全性を理由に撤去される遊具が増えて、年齢や利用回数の制限も定着しはじめている状況。しかしその効率化・管理化は子供たちの自由な発想や創造性を損なうものでもあり、それを利他と場所作りをキーワードに全国各地の取り組みから考える内容で、やはり無駄を排除して遊びがなくすと発想の広がりがなくなる感はありますね…。2024/12/07

ぷほは

11
今読んでおいて良かった。興味深い事例が多くコンセプトも悪くない。何より昨今の大学事情についての問題意識については共感しきり。しかし全体のトーンはかなり批判的に読んだ。子どもがモノをメディアにしているんではなく、著者が主体未満であると想定した「子ども」をメディアに見立てているような観察が多い。著者自身が「大人」や「親」や「大学教員」という社会的役割の殻からあまり出ているように見えず、「利他を論じる」という行為が単なる利己的行為と区別しがたくなっている。等々。ただ、そうした諸々の疑問符も含めて刺激的だった。2025/02/11

源シタゴウ

7
本書は、最近頻繁に言及される「利他」(伊藤亜紗『利他とは何か』(集英社新書)参照)との関りからと子どもの「遊び」を捉えなおす意欲的な書である。 子どもの遊びには「余白」がなければいけないことは当然なのだが、最近は事故を怖れる行政側が公園を「管理化」「効率化」しているとのこと。ユニバーサルデザインと言いながらも、実際は健常者と障害を持つ子どもが一緒に遊ぶ風景は見られない。いちいち遊具に使い方が示され、逸脱を許さない。子どもにとって「遊び」とは創造性や協調性を養う場であるはず。新たな取り組みも一読の価値あり。2025/01/17

oooともろー

7
危険性と偶然性を排除した最近の公園・遊び場。学問の世界でも同じ。無駄の排除。効率至上主義。子どもの遊び場の回復のために。2024/12/04

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