朝日新書<br> 遺伝子はなぜ不公平なのか?

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朝日新書
遺伝子はなぜ不公平なのか?

  • 著者名:稲垣栄洋【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 朝日新聞出版(2024/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022952882

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内容説明

遺伝子は、私たちが生きるための武器だ――。
生物の進化の歴史から学ぶ
ダメな自分の存在理由

なんの結果も出せないとき、
自分の努力不足や能力のなさを呪ってはいけない。
それはすべて、遺伝子のせいだ。

・平凡な自分にどんな価値があるのか?
・秘めた可能性はどうやったら見つかるのか?
・遺伝子の本当の目的とは何か?

懸命に生きるあなたへ贈る、
植物学者からの渾身の努力論。


【目次】
プロローグ―すべては遺伝子のせいだ
世の中は何と不公平
努力をすればいつか報われる?
すべては遺伝子のせいだ
努力で遺伝子に逆らった結果
「ビリがなければ一位はない」
どうして足の遅い遺伝子があるのか?
進化の過程で残された個性の意味

第1章 世界がもし“勝ち組”だけだったら―個性とは何だろう?
エリートばかりが残ったらどうなる?
もし世界が全員「僕」だったら
一卵性双生児に個性が生まれるとき
九八パーセントのガラクタ遺伝子の意味
生物がさまざまな答えを用意するとき
明るい人が正解か、暗い人が正解か

第2章 私たちはなぜ人と比べたがるのか?
頭がいいって何だろう?
「エラい人はいない! みんなバカ!」
頭の良さは勉強の出来不出来で決まる?
比べて評価する私たち
脳は「多様性」に耐えられない
やっかいな植物の分類
人間は世界一比べることが好きな生き物
多様性と管理社会は相性が悪い
“おいしいお米”は、おいしくなかった?
意味のわからないルールの正体
人間の悩みのすべての根源
のろまは長所である
生物は意味のない個性を持たない

第3章 人生は自分の武器を探す旅である
「あきらめる」は「明らかにすること」
自分のパーツは箱を開けてみなければわからない
才能は自分の手柄じゃない
持ち合わせた遺伝子を愛するということ
努力をしなければならない本当の理由

第4章 なぜ生命は死ぬのか?
遺伝子の壮大な挑戦
ダーウィンが解けなかった謎
なぜアリは自らの遺伝子を残そうとしないのか?
働きアリが女王アリを利用している
単細胞生物の意外な弱点
オスはなぜ子どもを産まないのか
命にはなぜ限りがあるのか

第5章 遺伝子四〇億年の旅
役に立たない私にも意味はある
伸びる爪のすごい仕組み
DNA・遺伝子・染色体・ゲノム
たんぱく質の驚きの役割
私たちはかつて不老不死だった
身体は偉大なる遺伝子の歴史
生きる意味は細胞たちが教えてくれる

第6章 人生の使命
親は選べないけれど
四〇億年のバトンを持つ私たち
七〇兆分の一の奇跡
あなたは過酷なサバイバルレースを生き抜いた
この世はあまりに厳しすぎるけれど
「死ぬほど苦しい」と思ったときは

第7章 欠点には意味がある
「悪いこと」をしたくなるのはどうして?
「本能」と「知能」という戦略
失敗経験は実はすごい
「群れ」が生き残るために必要なこと
ホモ・サピエンスは弱いから生き残った
助け合うと幸せな気持ちになるのはどうして?
生きづらさの問題は、たいていは社会にある
突然変異は進化のチャレンジ
なぜ人は生殖機能を失っても生きるのか?
私たちは皆、弱い生き物
きっと、足が遅いことにも意味がある

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

特盛

28
評価3.3/5。著者は植物学者。「世界史を大きく動かした植物」はめちゃくちゃ面白かった。今回は遺伝子に関するエッセイで、必ずしも著者の専門ではない。人生の遺伝の不条理を認めつつ、生きていること自体のかけがえのなさ、すばらしさを著者なりの言葉で肯定する。出来ないこと、劣っていることにも隠れた意味があるかもしれない。脳がいくら生きるのが嫌だ、と言っても免疫細胞含め全身の細胞は必死で生きている。他者と比べて劣等感などで自分が嫌いになっている人にはポジティブな生き方に向けてのヒントになるかもしれません。2024/12/21

アマザケ

15
面白かった。身近にある具体的な例から、難しい遺伝子の話を理解できるよう工夫してある。著者は遺伝子の存在から考えると、苦手なこと、弱いことには意味があるという。私も含め、日ごろネガティブに生きている人は勇気づけられるに違いない。2025/04/18

Micky

6
稲垣さんは足が遅かった。これは遺伝子のせい!?人は経験し知識を身につけて生き残る術を学ぶ。規則で個性を矯めて平凡な社会人(?)に育てるような教育もある。社会に出ると独創的なアイデアを出せと言われる。これは無理だろう。 いろんな欠点を持った人々が生き残ってきているが欠点って何?欠点ではなく個性。その人の持ち味。それを価値あるものにするのが本当の教育かも知れない。 で、足が遅い意味とは?命の危険がある場所に真っ先に着くことはないなあ。遺伝子は種の存続の為様々な可能性を残しているようだ。2024/11/21

oooともろー

4
色んなことにチャレンジしたり勉強するのは自分の遺伝子の得意なことを見つけるため。 行変えが多くスカスカ。無理して1冊にする必要ない。2025/01/31

luckyair

4
面白かった。最近、遺伝子で何もかも区別しようとするような傾向があることに警戒しつつ、そこにはきちんと線が引かれていたような気がする。不確実なものや多様であることは種としての生存戦略。✍️生物はバラツキたがる。しかし、多様性を理解できない人間の脳はそろえたがる。この不意一なものを、無理やり斉一にしようとしているところに、人間の悩みのすべての根源があると言ったら、言いすぎだろうか。本当の人間の価値なんて、人間の脳にはとうてい理解できないことなのだ。すべての能力に価値がある。比べることに意味はない。★★★★2024/12/18

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