角川書店単行本 おごさま

著者名：小紫【著者】

KADOKAWA（2024/11発売）

• ISBN：9784041156100

内容説明

北関東の実家から逃げ出し、東京の歓楽街に行き着いて、ホストにはまってしまった18歳のさあや。彼女は推しのカイトに身体を使ってつくった大金を注ぎ込んでいた。しかし、カイトの「一緒に暮らそう」という口約束が果たされることはなく、売り掛けの借金がかさんでいくばかりだった……。進退きわまったさあやは、実家に伝わる「おごさま」という繭のような形をした呪具を使用することを思いつく。亡くなった祖母は「おごさまはなんでも願いを叶えてくれるが、その代償として身体の一部を捧げないといけない、だから絶対に使ってはいけない」と言い残していた。しかし、どうしてもカイトの身も心も手に入れたいさあやは「おごさま」を使う儀式を開始する。……それが、取り返しのつかない惨劇のはじまりだった。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[yukaring]

とにかく悍しいのに読むのをやめられない中毒性の高い因習ホラー。帯のコメント通り「クズの大洪水」出てくる人間はクズばかり。しかし怪異はグロテスクでえげつない。さあやはホストのカイトに入れ込み、風俗で稼いだお金を貢いでいるが彼に上手くあしらわれ売掛金ばかりが増えていく毎日。しかし彼女には実家に伝わる「おごさま」という宝物があった。それはひとつだけ何でも願いを叶えてくれる代わりに身体の一部を捧げる必要があると言う。「おごさま」を使う決心をしたさあやは…。不気味な「おごさま」の正体と容赦ないラストが強烈な一冊。

2024/12/22

[のりすけ]

クズ大集合。ダメンズ、ただしイケメソのカイト、はともかく、ヒロインのさあやちゃんが現実を直視できない痛い子なのが…。こんな阿呆な子が本当に存在するのか？するんだろうなァ…。因習村系は結構話の種が尽きてきたかなと思ったら、こういう手段があったのか。願いをかなえるために自分の体の一部を提供…あのぅ、この、最近できたイボを代償にってのはどうですかね、老人はイボがすぐできるんで…エヘヘ。あ、私なんかちっちゃい望みなんすよ、宝くじ高額当選って言う…。私もクズやったわー。

2025/01/13

[佐倉]

前半まではボーイズバーに入れあげて風俗で働くさあやの痛ましい描写が続くが、身体の一部と引き換えに願いを叶える蚕神おごさまに願ったことで破滅の引き金が引かれてからは勢いが断然ついていく。主人公の認知が歪んでいて話もロクに聞いていないので得られる情報は断片的なのだが、それゆえにおごさまの不気味さが感じられる。神話的に読み解くと豊穣のため犠牲として使い潰されたハイヌウェレやプルシャの復讐譚にも読めるし、それと現代の依存させて富を搾り取るような狂った営業システムとオーバーラップさせているのも面白いところ。

2025/04/08

[ゆう]

ホストに入れ込んで、どう見ても騙されてるのに、なんでも自分の都合の良い様に考えられるのが凄い。 おごさまに人生で一度だけ願いを叶えてもらえるが、代わりに自分の身体の一部を差し出さなければいけない。 設定は面白いとけど、グロいところが多すぎる。 求めていたホラーとはちょっと違った気がする

2024/12/12

[tomomo]

図書館本 ⁡ 登場人物クズ過ぎて、早く読了したくて仕方なかった204ページの薄めの作品⁡ 主人公にすら感情移入出来ない ⁡ ラストに近づくにつれ、搾取される側と搾取する側について考えてみたけど、どこから間違えているのかすら？？な状態 ⁡ ただの呪物ではなくて…ってことでしょ ⁡ 凄く嫌な気持ちになりたい時にオススメの1冊 読んだ私も抉れた グロいのが好きな方にもオススメ

2025/01/04