ピーチとチョコレート

著者名：福木はる【著】

講談社（2024/11発売）

• ISBN：9784065373903

内容説明

「美しい　醜い　誰が決めた　作者不詳の詠み人知らず
それなら　穴掘り　捨てろ　埋めろ
いまここに　ルッキズムの墓たてろ！」
第64回講談社児童文学新人賞佳作入選作！

●著者紹介
福木はる
沖縄県出身。琉球大学教育学部卒。小学校教諭として勤務後、子ども支援の仕事をしながら、作品を執筆している。2023年、『ピーチとチョコレート』で第64回講談社児童文学新人賞の佳作に入選し、本作がデビュー作となる。

●主な内容
体型を気にしながらも、明るいキャラで渡り歩いてきた、萌々、中２。幼なじみの由快からは自分らしくないことを見透かされているが、彼みたいな人気者にはこの苦しさは分かるまい。ある日コンビニで出会った派手な大人から無理矢理すすめられたヒップホップクラスに顔を出してみると、クラスメイトから恐れられているフードを被った孤高の存在・莉愛がいて!?　ラップに触れていく中で、萌々の心が少しずつ変わりだす――。

「すべてはイメージ　すべて虚構　いまここにいる　わたしだけがリアル
　Big Up! Big Up! 　わたしはわたしのままで　この人生を謳歌してみせる」

ヒップホップ×友情。明るくてやさしい風が、ここで吹いています！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[☆よいこ]

児童書。YA。沖縄中学生ラップバトルもの▽中学2年生の大城萌々(もも)は太めの自分の体型がコンプレックスだけど、面白明るいキャラで通していた。だけど幼馴染のモテ男、金城由快(ゆかい)が気軽に絡んでくるので目立ってしまいイジメを受ける。落ち込んでいたところ、偶然の出会いがありラップを習うことになる。同級生の派手系ハーフの新垣メロディ莉愛(りあ)も同じラップ教室にいた▽リズムにのせてかっこいいリリックを叫ぶ。本音ラップが心に響く。とても良本。2024.11刊

2025/01/01

[がらくたどん]

ピンクの表紙とポップなイラスト♪少女は初めてリズムに乗った。飛び出してくるワタシのキモチ！どこから来たの？どこにいたの？ねえ、みんな、これがワタシのホントのキモチ。場面場面で差し出すパーツ。たどり着けないワタシのルーツ。ヒップホップのリズムに乗せて、恥ずかしがらずに歌うから。怖がらずに語るから。だから見て！聞いて！逃げずにちゃんと受け止めて！そして聞かせて、アナタのキモチ。受け止めたいんだアナタのハート。あなた達は誰？って聞かれたら、OK迷わず言うね。二人は「ピーチとチョコレート！」・・みたいな素敵な物語

2025/03/10

[chiaki]

恋あり友情あり、ルッキズムに真っ向から立ち向かう女子中学生の成長ストーリー！「人生、変わるよ」の声掛けから、自分の容姿体型にコンプレックスを抱える萌々が出会ったのはヒップホップとラップの教室で。唯一の鎧を脱げる場所が教えてくれたのは、周りの空気ではなく、ビートにことばと魂を乗せて合わせるということ。自分を隠しがちだった萌々が次第に声をあげることの意味を実感していく清々しさよ！軽快なことば運びが心地よく、読んでいて自然と身体が動き出してしまう。期待の新人作家さんに出逢ってしまいました！勤務校に購入したい。

2024/12/27

[まる子]

第64回講談社児童文学新人賞佳作。中学生のルッキズム！大城萌々はぽっちゃり体型の自分を好きになれない。ヒップホップ・ラップに出会い、自分よりふくよかな体型で踊りまくっている黒人女性クイーンBを見て自分の体型を心から愛している事を知る。クラスメイトでいつもパーカーのフードを被るブラックミックスの新垣莉愛の思いを知った。クラス内でも様々な事が起こる中学生たち。これからも自分の気持ちを殺して「気のいい人」を演じるのか？萌々、やるなら今だ！ラストのピーチとチョコレートのラップで泣く😭再読。YA。

2025/02/24

[雪丸 風人]

心の底でマグマのように溜まっていた感情が、ヒップホップとの出会いで大爆発！主人公は“自称”小太り中学生です。本音を隠して日々をやりすごしていた彼女が、素敵な巡り合わせで新しい世界に飛び込み、自分をさらけ出すよろこびに目覚めます。突然に巻き込まれ、鮮やかに彩られていく日常。そして、まさかの友情に痺れたわ～。一生懸命になれるものを見つけてからの主人公の躍動には、こちらまで口ずさみ、踊りだしたくなりましたよ。それぞれの切実な悩みに寄り添うだけでなく、猛烈なパワーをくれる一冊ですね。（対象年齢は11歳以上かな？）

2024/12/06