双葉文庫<br> 残月記

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双葉文庫
残月記

  • 著者名:小田雅久仁【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 双葉社(2024/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784575528053

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内容説明

月昂と呼ばれる感染症が広がり、人々を不安に陥れている近未来の日本。一党独裁政権が支配する社会で、感染した青年、冬芽は独裁者の歪んだ願望により、命を賭した闘いを強いられる。生き延びるため、愛を教えてくれた女のため、冬芽は挑み続ける(表題作)。「月」をモチーフに、著者の底知れぬ想像力と卓越した筆力が構築した、かつて見たことのない物語世界。本屋大賞ノミネート、吉川英治文学新人賞&日本SF大賞W受賞という史上初の快挙を成し遂げた真の傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒロ

104
最初のそして月がふりかえるから凄い展開だなと驚かされました。でもやっぱりSFってこうだよなとか思いながら、次の月景石、残月記と読んでいって、月をテーマにしたさらに驚きの話が続いたのでホントに面白かったです。特に残月記はSFにバトル、愛等、沢山の要素が合わさってかなりスケールが大きくなっていました。最後まで読んで、これこそ映画化しても絶対面白いだろうなと思いつつ、かなり満足感を得られたと思います。2025/02/06

みこ

46
謎の観戦病が蔓延する中、独裁政権が誕生し、感染者が隔離され、感染者同士での闘技が開催されるというディストピア小説。澱んだ世界観のなかで主人公である冬芽の純粋さが闇夜の月のようにまぶしく光る。他収録の二編は胡蝶の夢っぽかったり異世界転生っぽい作品。緻密な文章表現に引き込まれ作品を堪能できた。2025/01/07

tonpie

43
三つの中長編からなる連作集。SFジャンルなのだが、人間洞察と文章が純文学的にハイレベル。「地獄への快適な舗装路」という言葉が思い浮かぶ。見たくない地獄なのだが、文章が良くて、つい読み進めてしまうのだ(本来は全然違う意味)。特に最初の2篇「そして月がふりかえる」「月景石」がぶっ飛んでいる。人間への「具体的で」深い洞察がちりばめられ、文章は知的であると同時に「歌っている」。↓2025/02/09

なつくさ

42
初読みの作家さん。月をモチーフにした3つの物語。『そして月がふりかえる』月の光は静かで冷たい。裏側の顔をぼくらは知らない。もう少し読みたい物語でした。『月影石』幻想的な物語でした。まるで、この世界に囚われているような気持ちになりました。『残月記』月昂症がある世界。月と共に昂り月と共に冥する。これは一人の月昂症に感染した男の物語であり、月の涯の物語である。少し冗長かなと思うところもありましたが、好きな終わり方でした。きっとそこは最期にいきつく所なのだ。そうであってほしいと思う。残月のほほえみに願いをこめて。2025/01/05

スカラベ

41
月の魔力をめぐる3編の物語。「そして月がふりかえる」では、月の霊気が人を狂気へと導くというルナティックを連想した。暗くて脆い月の光。油断するとダークサイドへと引き込まれそう。結末が思わせぶりだが続きを読んでみたい。「月景石」と「残月記」では、胡蝶の夢もモチーフとなっているようだ。現実と思い込み暮らす世界が実は夢=仮想世界で、目覚めると夢の中の世界が真実なのかも。文語的で使い慣れない言葉が多いところが気になったが、3編ともダークファンタジー色があり楽しめた。夢の中で満月を見つけた時に裏返っていたら怖いかも。2025/01/03

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