内容説明
「女性像」で西洋美術史を読み解く!
いくつもの睾丸を持つ女神、いつまでも若いままの聖母マリアと女性化する天使たち、無理な姿勢で立っているボッティチェリのヴィーナス、ファム=ファタルに魅了されたクリムト……古代から現代まで、特異とも思える女性イメージはいかに生まれ、いかに変遷してきたのか。当時の社会における女性のあり方を明らかにすることで、知られざる名画誕生の舞台裏に迫る。西洋絵画の画題の多くを占めてきた女性像に注目するのみならず、「描く」側として自らの芸術を切り開いてきた女性画家にもスポットを当て、西洋美術史の新たな姿を描き出す。カラー図版多数を交え、当代きっての名案内人が、やさしく、深く解説する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みこ
13
古代より美術作品内での女性の描写を通じて女性の社会的地位や立場を論ずる通史のようなものである。近代以前、貴族や富裕層では聖女として信仰の対象となりながらも、真相は処女性を重視する物扱いに等しいものであった。一方、そのころ風俗画のように庶民が絵の対象となり、そこに描かれているのは子作りが成人としての務めと言わんばかりの奔放な農村部の様子もあった。夢中になって読んでいたので、通史の中の通過点であるフェルメールがサブタイトルにあることも忘れてしまったが、使用人の女性が絵の対象となったのもその過程の一つ。2024/12/16
いとう・しんご
11
NHK語学テキストきっかけ。著者はラジオのイタリア語講座で去年10月から12月まで「美術に見るイタリアの女性像」のお話をしてくれてた人なんですね、あのときはお世話になりました。で、本書ですが、綺麗なカラー図版が沢山楽しめる本。でも、自腹を切るほどではないかな・・・2025/06/14
菊地
5
絵画史における「女性モデル(の絵)」の歴史を順を追って説明している本。 『「フェルメールの女性」はなぜ手紙を読んでいるのか』については、本の途中での小さなトピックにしかなっていないので、「釣りタイトル」とまでは言わないまでも書名にまで入れるのはやりすぎな気がするかなぁ。 日本人にフェルメールが人気あるから、ビジネス上入れた方が売れそうってのは分かるんだけど。2024/12/27
プクプク
4
西洋美術をみながら女性史を知る内容だった。女性のイメージがどのように変わってきたのか、そして社会の中で女性はどのようにとらえられていたのか、絵画を通して知ることができた。フェルメールの作品の女性が手紙を読んでる。この絵を通して見えてくるものが、そうだったのかと、改めて気づいた。女性の教育や社会の中で貧富の差などの解説もあった。あの落穂拾いの絵画も穏やかな牧歌的光景だと思ってたけど、そうなんだ~と納得だった。女性の立場などどの国もあまり変わらないのかなと感じた。2025/03/02
takakomama
4
オールカラーの図版と共に、古代から20世紀までの女性のイメージの歴史を解説。その変遷の背景には王侯貴族の政略結婚や愛人、男尊女卑など時代や地域の社会構造や思想があります。わかりやすかったです。2025/01/02
-
- 電子書籍
- ゴールデンカムイ 21 ヤングジャンプ…
-
- 電子書籍
- いつか、夜明けの空で待ってる。 分冊版…
-
- 電子書籍
- アサーションの心 自分も相手も大切にす…
-
- 電子書籍
- トリシア、指名手配中!? エンタティー…