内容説明
「女性像」で西洋美術史を読み解く!
いくつもの睾丸を持つ女神、いつまでも若いままの聖母マリアと女性化する天使たち、無理な姿勢で立っているボッティチェリのヴィーナス、ファム=ファタルに魅了されたクリムト……古代から現代まで、特異とも思える女性イメージはいかに生まれ、いかに変遷してきたのか。当時の社会における女性のあり方を明らかにすることで、知られざる名画誕生の舞台裏に迫る。西洋絵画の画題の多くを占めてきた女性像に注目するのみならず、「描く」側として自らの芸術を切り開いてきた女性画家にもスポットを当て、西洋美術史の新たな姿を描き出す。カラー図版多数を交え、当代きっての名案内人が、やさしく、深く解説する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう・しんご
11
NHK語学テキストきっかけ。著者はラジオのイタリア語講座で去年10月から12月まで「美術に見るイタリアの女性像」のお話をしてくれてた人なんですね、あのときはお世話になりました。で、本書ですが、綺麗なカラー図版が沢山楽しめる本。でも、自腹を切るほどではないかな・・・2025/06/14
プクプク
5
西洋美術をみながら女性史を知る内容だった。女性のイメージがどのように変わってきたのか、そして社会の中で女性はどのようにとらえられていたのか、絵画を通して知ることができた。フェルメールの作品の女性が手紙を読んでる。この絵を通して見えてくるものが、そうだったのかと、改めて気づいた。女性の教育や社会の中で貧富の差などの解説もあった。あの落穂拾いの絵画も穏やかな牧歌的光景だと思ってたけど、そうなんだ~と納得だった。女性の立場などどの国もあまり変わらないのかなと感じた。2025/03/02
菊地
5
絵画史における「女性モデル(の絵)」の歴史を順を追って説明している本。 『「フェルメールの女性」はなぜ手紙を読んでいるのか』については、本の途中での小さなトピックにしかなっていないので、「釣りタイトル」とまでは言わないまでも書名にまで入れるのはやりすぎな気がするかなぁ。 日本人にフェルメールが人気あるから、ビジネス上入れた方が売れそうってのは分かるんだけど。2024/12/27
yurika
4
女性の描かれ方や女性画家をテーマにした本だが、中々に難しい内容だった。 社会・文化背景に応じて、女性のモチーフや描かれ方が変わっていくのを絵を見ながら把握することができたので、学びになったと思う。古来より聖書や神話を通じた、女性に対する畏怖の念が女性蔑視の遠因になったことはなんとなくわかったけど、それならなぜそういう話を作った人が女ではなく男だったのだろう、と気になってしまった。 古代エジプトはむしろ女性に対する権利が多かったのは意外だった。2025/10/12
takakomama
4
オールカラーの図版と共に、古代から20世紀までの女性のイメージの歴史を解説。その変遷の背景には王侯貴族の政略結婚や愛人、男尊女卑など時代や地域の社会構造や思想があります。わかりやすかったです。2025/01/02




