内容説明
江戸末期から明治へと移り変わる頃、現在の山梨から静岡の間の物流を担っていたのは舟だった。物を運び、人を運び、それぞれの生活があった。自然に翻弄され、時代に翻弄され、ままならぬ日々を抱えながらもおかれた場所で懸命に生きる人間達がいる。名も無き人々のありのままの姿を力強く描き出す短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
to boy
18
地元に近い物語ということで図書館から借用。東海道と甲府を繋ぐ富士川を行き来する舟運を語る六つの物語。長野や甲府のお米を清水湊まで運び、帰りには駿河湾の魚や塩を運ぶ人たち。船が行き来すれば宿や飯屋、土産物などが立ち並び船大工もやってきて栄えていく。幕末から明治初期までの庶民の暮らしが描かれていて当時の地元の様子がうかがえてよかった。日本三大急流の富士川はあちこちに岩が突き出て一歩間違えば転覆する危険のなか生活していた人たちの心温まる話でした。2025/12/19
Humbaba
0
橋があれば川を渡るのも簡単だが、様々な理由によって橋ではなく人足が川を渡らせるということを行っている場所が多くあった。そして、渡し人にとっては客を水に沈めてしまうというのは到底許されないことである。例え増水しており、かつ足を滑らせたとしてもそれを耐える必要がある。しかし、その場は耐えられたとしても無理をした弊害は残り、怪我をしていては仕事は続けられなくなる。2026/01/25
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