内容説明
話し合いができれば戦争は起きないはずだ。軍隊がなければ平和になる。……本当にそうでしょうか?「(…)人類はひとつだ、皆がちゃんと話し合えば分かり合えるはずで、そうすれば戦争など起きない、という考え方もあります。「話せば分かる」という発想ですね。これが広まれば世界が平和になりそうなものです。そう信じたい、願いたい気持ちもよく分かります。しかし、残念ながら現実にはなかなかそうなりません。」(まえがきより)そもそも安全保障とは、リスクをゼロにするような理想論ではなく、現実的なリスクを把握、管理し、対処することです。国際関係や防衛の問題のリアルな読みとき方を知ることは、戦争のない世界を目指すための土台となります。
目次
まえがき/第一部 世界をみる三つの視点/第一章 個人を中心に考える/やっぱり人間が重要/プーチンの戦争/ゼレンスキーの戦争/人類の歴史は本当に戦争の歴史なのか/個人としての兵士/市民は平和的か好戦的か/第二章 国家を中心に考える/国際関係は国「際」関係/ロシアの戦争/民主主義とは? /民主主義国家は戦争をしない? /デモクラティック・ピース論/民主主義の拡大? /「自国のことに専念して他国を無視してはならない」の意味/足元をみられる民主主義国家? /第三章 国際システムを中心に考える/国家に行動の自由はない? /政権交代しても変わらない外交/現実路線への転換? /パワー・バランスの重要性/安定をもたらす力の分布? /「現状維持」「現状変更」とは? /「力の真空」が生まれるとき/緩衝地帯ってなに? /第二部 何から何をいかに守るのか/第四章 「何から」守るのか──脅威/安全保障とは? /脅威を考える/「力による現状変更」/国際秩序への挑戦/国際テロの脅威/ハイブリッド戦争とは? /自然の脅威/第五章 「何を」守るのか──国益/国家の防衛/日本が示す国益/領土を守る/経済を守る/経済力と軍事力/経済安全保障の時代/価値を守る/占領されるとはどういうことか/第六章 「いかに」守るのか──軍事力/軍隊は戦争するために存在するのか? /自衛権とは? /軍隊とは? /自衛隊は軍隊か/陸・海・空軍/サイバー軍、宇宙軍へ/武器の貿易は悪いこと? /武器があるから戦争が起きる? /第七章 「誰と」守るのか──同盟/自助と同盟/基本は助けてくれない/権利を義務に/他国を助けるということ/拡大抑止の難しさ/「見捨てられ」と「巻き込まれ」/同盟管理とバードン・シェアリング/第八章 核兵器ってなんだろう/核兵器による危険と平和/さまざまな核兵器/世界は核兵器だらけ? /核兵器はなぜ特別? /核兵器は強者の兵器か/オバマ大統領のプラハ演説/「核兵器なき世界」への長い道のり/「核兵器なき世界」は通常兵器の世界……/核兵器を使わせないために/第三部 より平和な世界をつくる/第九章 国家はどうすれば協力できるのか/外交と軍事はつながっている/協力が困難な「囚人のジレンマ」/「囚人のジレンマ」を乗り越える/国際機関は無力なのか/欧州統合による平和/戦争を「不可能にする」/国際法の目的と効果/第一〇章 戦争はどうすれば抑止できるのか/抑止による戦争の阻止/懲罰的抑止とは? /拒否的抑止とは? /能力と意思、そして伝達/核兵器使用の抑止/大規模すぎる脅しは逆効果/合理性の落とし穴/さまざまな抑止のバランス/サイバー抑止へ? /抑止としての経済制裁? /第一一章 日本の平和と世界の平和/日本「だけ」を守れるのか/どのように世界に関与するか/安全保障面での役割も必要なの? /価値とパワー/日本の舵取り/コラム──戦略とはなにか/さらに学ぶための読書案内/あとがき/索引
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