内容説明
佐竹美保装画・口絵による新装版!
〈輝〉の大御神の双子の御子と、
〈闇〉の氏族とが激しく争う戦乱の世。
〈輝〉の御子に憧れる十五歳の村娘狭也は、
訪れた〈闇〉の氏族に、
空色の勾玉を手渡される。
それは、鎮めの玉、
狭也が〈闇〉の巫女姫であるしるし……。
自分の運命を受け入れられず、
〈輝の宮〉に身を寄せた狭也を待っていたのは、
深い絶望と、不思議な出会いだった。
宮の奥深くに縛められていた少年稚羽矢は、
すべてのものを滅ぼすという
〈大蛇の剣〉の主だったのだ……。
神々が地上を歩いていた古代の日本を舞台に、
絢爛豪華に織りあげられた、
日本のファンタジーの金字塔!
解説・中沢新一
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うめきち
13
表紙がすごく綺麗で購入。読みやすい文体がらまたよくて面白かった。ちはやの願いが納得でした。2025/05/06
ゆうこ
8
確かに読んだはずなのにすっかり忘れていた。照日王と月代王の二人の姉弟と、異形の末弟、稚羽矢。稚羽矢にばかり興味を惹かれて読みがちだけれど、輝の末弟さえ最後は受け入れてしまう大きな度量の闇の王たち一人一人がとても魅力的でいい。狭也の幼さばかりが目に付くけれど、本当に自分の大切なものを見つけた時の成長は、嬉しくもなります。古事記や日本書紀を知らなくても、知るきっかけになると思います。きっと何度も読むだろう本でした。2025/08/24
イツキ
8
とても面白かった。日本神話をベースとしたファンタジーである程度神や人々の原型がわかることもあって物語に入り込みやすく感じました。永遠の命を持つ輝の御子、死にはするのものの黄泉がえりができる闇の一族、それぞれの強みや苦悩なども感じられながら展開も早くあっという間に読み切ってしまいました。2025/02/19
つぶあん派
6
久しぶりに読みました。稚羽矢のことをすっかり忘れていた。読むにつれて色々思い出した。鳥彦の存在が大きい。狭也の気持ち、子どもの時は理解できたのに今読むとまた感じ方が違い、もどかしく思ったが…途中、狹也が”気づく”シーンは今だからこそ響く場面だった。そしてやっぱりラストが何より熱い。二人の成長がよかった…という感想が出て、ああもうこの物語を大人とか親目線で読む歳になったのだな、と衝撃。荻原先生が別本で言ってた話を思い出しましたわ。2025/08/10
秋田の読書会「あなたと推し本」(二代目)
3
読書会にて紹介された本。文庫版では上下巻2冊。勾玉三部作の瑞々しい和風ファンタジー2025/07/19