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内容説明
「女の子はおとなしくていいな~。男児はもう怪獣だから!」――親同士の会話でよく聞くフレーズである。大人は無意識に子どもの性格の原因を性別に求めるが、それは本当に正しい態度なのか。性差についての心理学・脳科学の膨大な先行研究をベースに、子どもの「好みの性差」「空間認知の性差」「言葉の性差」「学力の性差」「攻撃性の性差」「感情の性差」をデータで分析。「男女差の科学」で性差の謎を解く!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アドソ
11
「男女には本質的に差がある」ことを前提とした言説に対して、本書では「本質的な差はない」ことを前提にしている。いずれにせよある仮定を「絶対に正しい」として出発する議論は科学とは言えないだろう。主張は極めてPCだが、著者が最近家族を持ったとのことで一時的な感情にだいぶ引っ張られているようにも見える。実際に子供でも男女の行動・嗜好に差が出たにも関わらず、「これはわずかな差なので、男女は同じとみるべきである」的な論理展開が多い。小さな差異が、第二次性徴以降に拡大する可能性についてはほとんど論じられていない。2025/01/03
kenitirokikuti
10
ジェンダーイコーリテイ関係のあれこれ、ちょっと勉強すれば必要なことは頭に入るくらいの内容しかなく、結局は政治レベルの問題でしかないことは明らかである。もっと極論すると、親子関係のアヤである。親からの育てられで思い悩むし、自身は子育てで思い悩む。まぁ、娘から息子か、妻か夫か、って要素もかなりデカいと思う▲発達心理学上の知見が男女平等にどう資するかというと…はなはだ心許ない感じを受ける。2024/12/16
Yuka
9
LGBTQやジェンダー論に触れる中で、性差がどこで生まれるのか疑問に思っていたらドンピシャな本を発見。 社会的に認知されている女性/男性が得意とすることの多くは環境要因の影響も受けて作られるものであることが大きそうだと理解した。 LGBTQに対するフォビアの人々も"本能的に"恐れているのではなくて、社会的に作られた価値観に左右されている面が大きいのかも。一度作られた価値観を崩すのは難しいからこそ、未来を生きる子どもたちに旧価値観を植え付けないように、一人の大人として意識した振る舞いができたらなと思った。2024/12/31
oooともろー
6
至極当然のことだが、まともなことは話題になりにくい。性差は事後的につくられる。偏見・思い込みに要注意。2024/12/19
manabukimoto
6
性差より個体差。ジェンダー概念を初めて習った時に教わった言葉通りの内容。 空間理解力、言語能力、攻撃性など、幾つかの領域には性差らしきものは存在するが、全体的にみた「男脳」「女脳」という概念は存在しない。 ・赤い表紙の漢字ドリル、青い表紙の計算ドリルが国算の得意不得意バイアスを生む。 ・身体的管理(物理的に抑え込む)を男児に強いることが、男子の攻撃性をうむ。 男女差の研究は様々な分野でなされているが、確定的なことはまだまだ分かっていないらしい。 無知な大人のジェンダーステレオタイプが諸悪の根源。 2024/12/01
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