内容説明
身体を持った生物としての人間が、いかに文明をつくってきたかを壮大なスケールで描く大作。『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』と『世界の起源』に続く3部作の終巻。
「肉体」をもった「生物」としての人類の壮大な歴史!
人間には肉体的な壁があるからこそ歴史はつくられた。
「身体」から初めて世界史を総合的に解き明かした名著!
ベストセラー『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』で始まる3部作の最新作。
疫病、人口問題、遺伝的変異、アルコール・カフェイン・薬物、長子相続、認知バイアス……。
歴史を動かした身体性!
本書「はじめに」より
本書では、人類の歴史の奥深くまで潜り、文化や社会、文明に人間の根本的な特徴がどのように現われていたかを探ることにする。ヒトの遺伝子や生化学、解剖学、生理学、心理学上の奇妙な癖がどのように発露してきたか、そして一度の重大な出来事という観点だけでなく、世界の歴史で終始一貫して長期に見られた傾向の結果や波及効果が何であったかを探究したい。……ヒトの体の特徴は、僕らが互いに学ぶ慣習や行動、技能などの人間の文化的発展に、もっと微妙な方法でも影響をおよぼしてきた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
26
要するに、この身体と心と文明の結びつき。信頼を基盤とした社会構成、病原菌、アルカロイド系の嗜好品、遺伝的形質、認知バイアスなどが歴史にどのように影響を与えたかを事例とともにひもとく。2024/12/27
ceskepivo
5
歴史は個々の人間の営みによって作られる。そして、個々の人間は生物学上の特性をもっており、必ずしも合理的に行動するわけではない。そのような事実を改めて考えさせられた。あのコンコルド計画も、費用と労力を投入したため、「埋没費用の誤謬」に陥った例。2024/11/29
Shori
3
生物としてのヒトの特性や制約がどう歴史を形作ってきたかが語られる。欧州植民者が風土病にかかりやすい熱帯地域は収奪的植民地、定住しやすい温帯地域は入植植民地、という視点に納得(実態は残酷だが…)。気候変動や生活習慣病は、動物としてのヒトと文明社会のギャップのあらわれということがよくわかる。2025/09/28
こけこ
2
「脳の発達」の観点からみてみると、人類の歴史がざっと見渡せる。今後は「環境との取引」や「自然選択」をしていくことが課題になるのだろう。2025/04/10
takao
2
ふむ2025/02/12