透析を止めた日

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透析を止めた日

  • 著者名:堀川惠子【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 講談社(2024/11発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065342794

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内容説明

「私たちは必死に生きた。しかし、どう死ねばよいのか、それが分からなかった」

なぜ、透析患者は「安らかな死」を迎えることができないのか?
どうして、がん患者以外は「緩和ケア」を受けることさえできないのか?

10年以上におよぶ血液透析、腎移植、再透析の末、透析を止める決断をした夫。
その壮絶な最期を看取った著者が、自らの体験と、徹底した取材で記す、慟哭の医療ノンフィクション!

解説 日本腎臓学会理事長・南学正臣(東京大学腎臓内分泌内科教授)

<序章>より
「夫の全身状態が悪化し、命綱であった透析を維持することができなくなり始めたとき、
どう対処すればいいのか途方に暮れた。
医師に問うても、答えは返ってこない。
私たちには、どんな苦痛を伴おうとも、たとえ本人の意識がなくなろうとも、
とことん透析を回し続ける道しか示されなかった。
そして60歳と3ヵ月、人生最後の数日に人生最大の苦しみを味わうことになった。
それは、本当に避けられぬ苦痛だったか、今も少なからぬ疑問を抱いている。
 なぜ、膨大に存在するはずの透析患者の終末期のデータが、死の臨床に生かされていないのか。
なぜ、矛盾だらけの医療制度を誰も変えようとしないのか。
医療とは、いったい誰のためのものなのか」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

211
透析に対して何の知識も関心もないが、堀川惠子さんの最新刊なら読まない手はない。そして、その内容の深刻さに打ちのめされる。最愛の夫が、血液透析、腎移植、再透析を経て、透析を止める決断をする10年間に寄り添った経緯を語る前半で、あの知的で冷静な著者が、これほどまでに心を抉られ翻弄された透析医療の現実に胸を締め付けられる。特に、終末期の透析患者をめぐる問題の深刻さを思い知る。「ノンフィクション作家として自分のことを書き始めたらおしまいと思っている」と語っていた堀川さんが意を決して世に問うたこの本の意味は、重い。2025/03/23

まーくん

211
現在、日本では約35万人が透析を受けているそうである。私の周囲にも、中学時代からの友人、現役時代の同僚など、もっと身近では先年亡くなった妹も透析を受けていた。そんなわけで、透析の大変さについても知っていたつもりであったが…。著者の夫は二人が知り合った時、既に透析を受けていたが周囲の反対を押し切り結婚。夫のその後の透析による困難に共に立ち向かうことになる。いろいろな経緯を経て遂に透析治療を受けることが出来なくなる時を迎える。その後に生じる激しい苦痛に対する患者への体制が日本では全く出来ていないという。⇒2025/02/12

読特

140
体質なのか、生活習慣のせいか。腎臓の機能の低下で血中に老廃物が蓄積する。血液交換のため、週3回通院し1回4時間の透析を受ける。制約される生活時間。それでも、価値ある仕事がしたい。体を張っての番組作り。長くはなかった命。寄り添い、ケアをしたパートナーとしての著者。腎移植のドナーを名乗り出るが叶わず。末期の苦しみ。1日でも生きながらえて欲しいという願い。介護の体験から医療問題に踏み込む。…がん患者しか受けられない緩和ケア。普及していない腹膜透析という選択。生き方と死にざまに制度の課題。重い問いを突き付ける。2026/03/15

mukimi

132
癌終末期ほど整備されていない腎不全終末期の壮絶な闘病記。医療現場を知るからこそ読み進めるのが辛かった。だが読後に残るのは闘病記としての価値だけでなくこの夫婦の深い愛と人生に対する切実な使命感だ。「血の通った看取りをするには医師は忙しすぎる」現実に様々なざらざらした記憶が蘇った。働き方改革や保険診療の檻の中で所詮1人の人間である医者に何が出来るのだろう。変えられないことばかりではない、出来ることはある、と本書が医療者に託してくれたと感じた。自分1人の小さな動きでも現場を変えようという意識を手放さず歩みたい。2026/03/01

kaoru

118
ノンフィクション作家の著者の夫はNHKのディレクター。腎臓の難病のため透析が欠かせない身体だったが透析を止めることを決意し大きな苦痛に満ちた最期を迎えた。配偶者への愛と医療者の間で板挟みとなった著者は透析患者の終末期や腎不全患者の緩和ケアが問題とされていない現実に憤り、腹膜透析を導入する医師や患者を取材し、透析患者の生と死が尊厳に満ちたものとなることを願い本著を顕した。前半の厳しい闘病記は読むのが辛いが夫婦愛の記録として貴重なものだ。ビジネスが優先する医療の問題点や志ある医療者との出会いが患者の人生を→2025/03/01

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