心の哲学史

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心の哲学史

  • 著者名:村田純一【編】/渡辺恒夫【編】
  • 価格 ¥3,410(本体¥3,100)
  • 講談社(2024/11発売)
  • 初夏を満喫!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン (~5/18)
  • ポイント 775pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065235225

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内容説明

心についての問題意識はプラトン・アリストテレスなどの古代哲学から連綿と続いているが、一般向け書籍で述べられる心理学史では、近代に始まる「科学的心理学」から述べられることが多い。たとえば「19世紀後半に科学としての心理学が内観から始まり、20世紀になると、それを否定したワトソンの行動主義が隆盛をきわめ、やがて認知革命に至った」と。
しかしそれは心理学史の或る一面の流れであって、哲学と心理学が分岐する前の19世紀後半を凝視するならば、それとは異なり現代まで展開していくもう一つの心理学史が見えてくる。
本書では、1874年という年に刊行された二つの書物『経験的立場からの心理学』(ブレンターノ)と『生理学的心理学綱要』(ヴント)を起点とし、新しい心の科学と哲学の始まりと見なした。それに対して、ブレンターノから哲学を学んだフッサールは、心の哲学としての心理学として独自の現象学を展開し、志向性・身体性・世界内存在など、心のあり方を解明する上で重要な役割を果たす諸概念を開発した。実際現在では、それらの諸概念は、新たに展開し始めた、認知科学や神経科学の知見を理解するうえでも重要な役割を演じるようになっている。本書では、このような心理学と心の哲学のいわば隠れた歴史の流れを、内観、発達心理学、脳科学、方法論論争など多様な側面から明らかにすることによって、心の哲学の歴史を展望する。

[本書の内容]
第一章 心の哲学史の始まり――一九世紀、科学と哲学の交叉
第二章 心の科学・心の哲学・身体の現象学――内観・行動主義から心と身体への展開
第三章 認知システムと発達の理論展開――他者論から現代発達研究へ
第四章 心理学の哲学を基礎づけたもの――その認識論的背景と現象学的心理学
第五章 認知神経科学と現象学――身体と自己の起源を探る潮流
第六章 心理的なるものを超えた心理学――歩く・食べる・眠るの心理学へ
コラムI エーレンフェルスからゲシュタルト心理学へ
コラムII 意志と行為の構造化
コラムIII 心の理論パラダイムと発達研究
コラムIV 現象学的精神医学の興隆と衰退

目次

第一章 心の哲学史の始まり――一九世紀、科学と哲学の交叉
第二章 心の科学・心の哲学・身体の現象学――内観・行動主義から心と身体への展開
第三章 認知システムと発達の理論展開――他者論から現代発達研究へ
第四章 心理学の哲学を基礎づけたもの――その認識論的背景と現象学的心理学
第五章 認知神経科学と現象学――身体と自己の起源を探る潮流
第六章 心理的なるものを超えた心理学――歩く・食べる・眠るの心理学へ
コラムI エーレンフェルスからゲシュタルト心理学へ
コラムII 意志と行為の構造化
コラムIII 心の理論パラダイムと発達研究
コラムIV 現象学的精神医学の興隆と衰退

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mim42

15
なかなか微妙な読書体験だった。多くの執筆者がイデオロジカルだったせいなのか読後に心地悪さが残る。現象学、サルトル、等を直接科学的主題に結びつける必要性は無いと私は考えるのだが彼らの動機は強い。その源泉は恐らく信心深さだろう。1、2章は心理学の歴史的な読み物として楽しんだ。6章のアニマシー論は興味深く賛同する点も多いが、マラットら主流?の科学側と噛み合っていない。「心」の定義や共通認識が合っていないことに依るのではなかろうか。3-5章は客観的でロジカルな議論よりは教条的かつ感情的で科学軽視の言説が多い印象。2025/03/18

Go Extreme

1
哲学的考察から実験科学へ 計算機科学の発展と心の変遷 制御された内観 行動主義の支配的時代 認知機能としての心 脳に対するソフトウェア ヴントの力動的な全体論 民族心理学の必要性 カントの心理学不可能説 ブレンターノの意図的対象説 志向性という独自の特徴 フッサールの心理主義批判 現象学的還元という方法 内在的超越 他者の視線と超越 心の理論 誤信念課題 心の身体性 拡張された心の概念 生きられた身体 固有感覚の喪失 身体化された認知 状況的認知 自然主義的転回 心の哲学の脱却2025/04/13

Daisuke Mitsuhashi

1
挑戦的な論考ばかり。特に第6章染谷氏による独自のアニマシー心理学の構想は興味深い(生態心理学の延長でよくない?とは思いつつ…)。4E Cognition 陣営に通底した世界観がないなとは思っていたけれど、しっかり交通整理してくれたおかげで見通しがつくようになった。再読するつもり。2024/12/23

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