内容説明
なぜロシア正教トップは「プーチンの戦争」を称賛したのか!?イスラエルの入植活動を正当化するユダヤ教の「論理」とは?平和を尊ぶ仏教が戦争を容認する時と場合とは?コーランの「(不信仰者の)首を打ち切れ」はどう解釈されるのか……世界の宗教にはどのような「不殺生」についての「戒」や「倫理」があり、それが時と場合によりどのように「殺人肯定」「戦争容認」へと変化するのか。キリスト教(カトリック、プロテスタント、東方正教)、ユダヤ教、イスラームのほか、ゾロアスター教、ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教(初期仏教・上座部仏教、大乗仏教、日本の仏教)、中国の儒教、道教の各宗教を第一線の研究者が論考する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さとうしん
10
世界の宗教は戦争、そしてその前提となる不殺生戒についてどのように議論してきたかをそれぞれの専門家が講義する。総じて当初教義レベルでは殺人を禁じ、戦争には否定的だが、国家とつながりを持つことで戦争を正当化するようになるという流れはおおむね共通しているようだ。徹底的な不殺生を説くジャイナ教が戦争については微妙な態度を採っていること、正教会の教権と俗権の一致の伝統がウクライナ戦争での教会の態度に影響を及ぼしていること、儒教の正戦論が戦前・戦中の日本の戦争観に大きな影響を与えているといったあたりが注目ポイント。2024/08/07
noko
4
各宗教における戦争の考え方。キリスト教も仏教も、初期は戦争を否定していた。しかし国家権力と繋がりを持つと、戦争を肯定するようになる。ユダヤ教では、パレスチナへの入植が過激化したのにはツヴィイェフダクックが関わっている。彼の主張は異教徒が反対するなら武力行使しても聖地へ移住定住を徹底すべきというもの。グーシュエムニームは彼の弟子達の集団で、終末期が近いとして、パレスチナ人が暮らしている土地にも一方的に居住地を建てていった。パレスチナ人への暴力も伴った。日本では馴染みが薄いが、ジャイナ教の考えも興味深い。2026/03/02
くらーく
3
その道の専門家を集めてこのような書籍を作れるって、素晴らしい事だと思います。日本ならでは?とは思わないけど、国教が決められて、それ以外は異教として排除されるところでは無理だよね。 内容は、他のレビューアーさんが書いているし、あくまで各宗教の戦争論に対する講義なので、他宗教との関連などは無い。基本的には、どの宗教も不殺生なのだけど、それが政治と結びつき、宗教の盛衰がかかってくると、解釈が変わってくるようですね。理想と現実なのか、妥協なのかは、その時々で変わるのでしょう。何のための宗教なのかねえ、と思います。2024/11/23
kun_maa(หมา)
2
世界の主要な宗教の『不殺生戒』と『戦争観』について第一線の研究者によるわかりやすい解説だった。最初は不殺生戒がある宗教でも宗教と国家・権力が結びつくと簡単に”聖戦”や”正戦”という考え方に結びついてしまうのだなぁ。2024/12/04
Go Extreme
2
宗教と戦争を考える: 不殺生戒 一神教系 キリスト教ー非戦論→聖戦論 キリスト教の戦争論 宗教戦争と民族紛争の本質構造 正教会の戦争論 ユダヤ教における聖戦 イスラームは戦争をどう考えるか ゾロアスター教の戦争イデオロギ ヒンドゥー教の古典にみる宗教と戦争 ジャイナ教の不殺生戒と戦争 仏教と戦争―持たざる者の平和論 大乗仏教から考える戦争と平和―法華経・涅槃経 僧兵から考える日本仏教と戦争 儒教における人を殺すべき場合 道教と戦争 天地創造神を奉ずる一神教の不殺生戒 輪廻転生論と不殺生戒2024/08/25
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