内容説明
うだつの上がらない「作家」である私の人生の折々に登場してくる、死神。中学二年生で初めて出会ったあいつのことだけは、これまで作品には書けなかったのだが……。芥川賞作家が描く「死」と「家族」。ユーモラスにして、痛烈な新境地。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダミアン4号
30
暗い…唯々暗い♪クライ フォー ザ ネイション…ダジャレを呟かないとやってられん。でも同じ事考えなかったか?と訊かれればYES…怖いから…痛いのが嫌だから…パパゲーノ。勉強が出来ない。運動も苦手…それでも自分は特別と思っている。僕には必殺の武器がある=自殺…だから…この世に非ざる存在“死神”に憑かれてしまう。彼の両親も彼自身も好きになれない。こんな面倒な奴とは付き合いたくない。立派なとかまともなとか…偏った小さな価値観に囚われた家族。彼は希望を見出せたのか違うのか…これからもきっと死神を見てしまうんだろう2025/04/23
ヨシムラ管
6
自称ユニバーサル爆弾ハンバーグこと野口遵2025/04/15
md5
2
禍々しいタイトルと表紙からホラー小説かと思ったが、ファンタジーな私小説?のようなものだった。 死にたがっているから死神が付くのか、死神が付くから死ぬのか、「鶏が先か、卵が先か」みたいな概念。 2025/04/03
寒苦鳥
2
本屋さんね平積みされていて、表紙のインパクトとタイトルが気になり中をひらけ立ち読みすると‥‥なるほど、読みやすい文体だし面白そうだと思い即購入。 最初は現実離れしているように感じたけれど、後半にどんどんと現実に近付いてくるように感じ、また疾走感が増すように感じた。 無機物的な死神に思ったけれど、其々に個性があって最後の方はマスコットのように感じた。そんなポップな内容ではないのだけれど。 この夢か現かわからないような惑わすような表現、すごく好みだった。2024/11/23
taiyou gyousi
1
中学生の頃から死神に付きまとわれ、「お前は自殺する運命にある」と言われたら、もうお先真っ暗。しかも、父親には手を出され、母はそれに服従するというかなり歪んだ家庭。読み進めるのがしんどかった。でも、状況は変わっていく。いつの間にか死神に友情のようなものを感じ始める。家庭内も立場が変わっていく。そして、最後には、変なリアリティを感じて、もしかすると私小説なのではと思ってみたりする。2025/04/11