内容説明
14歳のミアは、図書館でカネコフミコの自伝と出合う。ミアは同級生の誰よりもフミコが近くに感じられる一方、学校では自分の重い現実を誰にも話せなかった。けれど、同級生のウィルにラップのリリックを書いてほしいと頼まれたことで、ミアは少しずつ変わり始める――。『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の著者が放つ、心揺さぶる物語。西加奈子氏、ヨシタケシンスケ氏、推薦!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
78
読みながら、この物語が絶望で終わるはずがないと思いました。自分以外の世界を信じていないように見えても、主人公のミアは弟を愛していて、どうしようもない母親の面倒も見ているし、友人たちのことを嫌っているわけでもありません。トカレフを持つミアを援護射撃すると言って対等に接してくれる友人もいます。何より周りにいる大人たちも真剣にミアのことを考えています。時代や国が違うせいもあるけど、ミアが読んだ「刑務所回顧録」のフミコにはそんな人はいませんでした。わたしたちの周りにはミアもフミコもたくさんいて大人の仕事もたくさん2025/02/27
くるり
10
安易に感想が書けない。リアルだ!と思ってしまう。 大切な小説。いろんな人に読んで欲しい。大人にも読んで欲しいし、なにか迷いを持っている人にも読んで欲しい。そしてフミコの本を読みたい。2025/02/15
Ryuya Matsumoto
9
こんなふうにオフィシャルな言説には表れて来ない子供たちが本当に無数にいるのだと思った。大人の仕事って何なのだろう。ミアの未来が幸せでありますように。金子文子にも興味が湧きました。2025/03/11
*takahiro✩
8
読みたいと長く印をつけていた本です。やっと読むことができました。荻原さんの「ママの狙撃銃」みたいなお話かと思って油断していたので、余りにシリアスな展開に読み始めてすぐにサンドバック状態、無防備な心がボロボロになってしまいました。先進国だと威張ってるくせに、日本だけでなくイギリスまでも何をしているのでしょう。階級社会とは知っていましたがここまでなのか、社会制度とは何と冷たいのか、結局人を助けられるのは個人の善意だけなのか、考えさせられました。寄付ばかり取ってユニセフは何やってんだと八つ当たりしたい気分です。2024/12/26
TAKE
6
重い。文庫本なのに。 ブレイディ氏の小説は「僕はイエローでホワイトでちょっとブルー」を積んでいる現状だったが、本屋で本書を見つけて購入。 イギリスのローからミドルクラスについて本人の体験を背景とした書籍であることは前作からも察しがつくが、その知識があるからこそ、ただのフィクションだと片付けられない手触りがある。 あらすじは他媒体に任せるが、読後感は‘フィクションじゃないな’と‘フィクションにしないといけないな(受け止められない)’と色んな感情が渦巻いた。 表現云々の前に消化(昇華)に時間が欲しい一冊。2025/04/10
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