ポプラ文庫<br> 両手にトカレフ

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ポプラ文庫
両手にトカレフ

  • ISBN:9784591183861

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内容説明

14歳のミアは、図書館でカネコフミコの自伝と出合う。ミアは同級生の誰よりもフミコが近くに感じられる一方、学校では自分の重い現実を誰にも話せなかった。けれど、同級生のウィルにラップのリリックを書いてほしいと頼まれたことで、ミアは少しずつ変わり始める――。『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の著者が放つ、心揺さぶる物語。西加奈子氏、ヨシタケシンスケ氏、推薦!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

*takahiro✩

7
読みたいと長く印をつけていた本です。やっと読むことができました。荻原さんの「ママの狙撃銃」みたいなお話かと思って油断していたので、余りにシリアスな展開に読み始めてすぐにサンドバック状態、無防備な心がボロボロになってしまいました。先進国だと威張ってるくせに、日本だけでなくイギリスまでも何をしているのでしょう。階級社会とは知っていましたがここまでなのか、社会制度とは何と冷たいのか、結局人を助けられるのは個人の善意だけなのか、考えさせられました。寄付ばかり取ってユニセフは何やってんだと八つ当たりしたい気分です。2024/12/26

バナナカプチーノ

4
ミアの置かれた境遇があまりにも過酷で読んでいて苦しかったですが、ブレイディさんがあえてフィクションとして書かれてるのも、現実にこういう子ども達がいるからなのでしょう。周りの助けてくれる大人たちや友達が救いでした。どうかミアやチャーリーに腐らず生きていってほしいと願わずにはいられない…。2024/12/13

しの

2
もうどうにもならないと、どこか違う世界へ行きたいと、閉塞感を覚えている子供たちにぜひ読んでほしい1冊。ミアは依存症の母と幼い弟を抱えたヤングケアラーだ。どうにもならない現実にやり場のない怒りを抱える中、出会ったのは生きた場所も時代も違う少女・カネコフミコの自伝。ラップとトラックで共振しあうミアとウィルの関係性が素敵だった。 どうしようもない現実があった時、本の中の違う世界に救われたからこそ、そういう救いが少しでも必要な人に届いてほしい。対等であることの難しさ。ただ違いを認めて、自分らしくあることの尊さ。2025/02/01

jerrrry68

1
ウィルが読者の私にとっても心の支えになるキャラだった。絶対にミアとラップステージやってほしい。2024/12/17

のらくろ

1
自分の価値を決めるのは自分だと、ミアと文子を通して教えられた。人同士はどうしたって完全に対等な関係になることはできないのだから、他人のジャッジに惑わされず生きていく強さを大事にしたい。SWが「わかっている以上のことを勝手に想像して決めつけることがある」とあって、職業柄思い当たる節が多くどきっとした。医療福祉の世界は「対象者の人生背景を想像し、尊重しよう」と教科書でもよく謳われているが、実際、「この人は~だから~だろう」と決めつけている場面は多く、それは偏見や差別と何が違うのか?と思うことはよくある。2024/11/25

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