内容説明
14歳のミアは、図書館でカネコフミコの自伝と出合う。ミアは同級生の誰よりもフミコが近くに感じられる一方、学校では自分の重い現実を誰にも話せなかった。けれど、同級生のウィルにラップのリリックを書いてほしいと頼まれたことで、ミアは少しずつ変わり始める――。『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の著者が放つ、心揺さぶる物語。西加奈子氏、ヨシタケシンスケ氏、推薦!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
79
読みながら、この物語が絶望で終わるはずがないと思いました。自分以外の世界を信じていないように見えても、主人公のミアは弟を愛していて、どうしようもない母親の面倒も見ているし、友人たちのことを嫌っているわけでもありません。トカレフを持つミアを援護射撃すると言って対等に接してくれる友人もいます。何より周りにいる大人たちも真剣にミアのことを考えています。時代や国が違うせいもあるけど、ミアが読んだ「刑務所回顧録」のフミコにはそんな人はいませんでした。わたしたちの周りにはミアもフミコもたくさんいて大人の仕事もたくさん2025/02/27
くるり
11
安易に感想が書けない。リアルだ!と思ってしまう。 大切な小説。いろんな人に読んで欲しい。大人にも読んで欲しいし、なにか迷いを持っている人にも読んで欲しい。そしてフミコの本を読みたい。2025/02/15
K
9
逆境でも可能性は開けている。その事に気づけるかどうか、これが問題だ。ウィルとの関係が良い。対等というのがいかに難しいものかよく分かる。まあぼんぼん寄りの人見ると今でもそれだけで少しイラッとするけどそいつに罪は無いもんな…。2025/09/29
Ryuya Matsumoto
9
こんなふうにオフィシャルな言説には表れて来ない子供たちが本当に無数にいるのだと思った。大人の仕事って何なのだろう。ミアの未来が幸せでありますように。金子文子にも興味が湧きました。2025/03/11
Hatann
8
現代イギリスの貧困と孤独に晒された14歳の少女が、言語化の方法と出会い、自立する覚悟を見出す物語。アルコール依存の母と幼い弟との生活に苦しむヤングケアラーが、図書館で大正期のアナキスト金子ふみこの回顧録に手に取ることで世界の見方を変える。時空を超えたふたりの少女の共感というプロットが、立場の違う読者を更なる共感に巻きこむ。現実にても、同級生やソーシャルワーカーの共助を得て、リリックを紡ぐ方法とともに、主人公は精神的自立に向かう。幻想と現実から救いを得て、ここではない世界への旅立ちを見いだす過程が感動的だ。2025/05/05




