ポプラ文庫<br> 恋文の技術 新版

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ポプラ文庫
恋文の技術 新版

  • ISBN:9784591183823

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内容説明

京都から遠く離れた能登の実験所に飛ばされた大学院生・守田一郎。 文通修行と称して京都の仲間や家族、家庭教師先の少年、作家の森見登美彦らに手紙を書きまくるのだが、本当に想いを伝えたい相手には書けなくて――。 ヘタレ男子の純情が炸裂する、森見節満載の書簡体小説。 長らく愛されてきた傑作が、「新版あとがき 読者の皆様」を加えて新版として登場!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

72
文通武者修行と称して延々と綴られた優に百通を超える手紙をむさぼるように読むことになろうとは。「おっぱい」という言葉を数え切れないほど読まされてしまったぞ。馬鹿馬鹿しさも茲に極まれり。ちなみに私は十数年前にこの『恋文の技術』を一度読んでいる。水ぼうそう、おたふく風邪、はしか、風疹、猩紅熱といった禍々しい病原体ですら、一度かかってしまえば二度はかからないというのに、森見氏の言葉は私の脳をまたしても冒してしまった。不条理ともいえる中毒性を森見氏の文章は持つ。要注意である。2025/01/07

おにく

43
京都から能登へ異動になった大学院生・守田が、寂しさを紛らすため文通修行と称して、あらゆる友人、知人に手紙を書き送る書簡体小説で、手紙のもどかしさもあって序盤は堅苦しいですが、徐々に真実がうかびあがり、彼がヘタレ大学生と判明すると、森見さんの平常運転なのだと安心します。数々の手紙とボツにした恋文を経て、彼は自力で手紙のノウハウをモノにする。そうして先に卒業していった憧れの彼女に送った恋文はとても感動的で、この恋が成就してほしいと願いたくなります。のどかな能登の風景も瑞々しい、元気をもらえる小説でした。2025/05/19

ぽろん

37
刊行15周年の新装版。阿呆らしく、くだらない手紙なんだけれど、しみじみ、愛すべき書簡集。森見氏宛の手紙も登場して、愉しい事この上なしでした。なんやかや、言っても守田一郎は、愛すべき男です。2024/12/17

99trough99

36
京都の大学院生、守田一郎が能登半島の研究所に派遣中に、離れた土地で暮らす周囲の人たちに、これもかと書き綴りまくって送りまくった書簡で綴られる大学院生の所感エッセイ?の体裁をとる本書。いったい何十回、「おっぱい」と書けば気が済むのかと、あきれたり可笑しかったり。理系の大学院生も煩悩の塊なわけですね、研究室内でどんどんカップルが量産される辺りも微笑ましかった。 新版の最後には森見さんから「おやゆびの」能登半島地震の被災地へのお見舞いも綴られ、心を打った。2025/04/29

やな

35
何でもメールやLINEで事足りる現代、手紙の良さを再認識できた。2025/02/11

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