内容説明
個人の問題を自己責任とする傾向・論調への反省から、今最も注目を集める社会正義(ソーシャル・ジャスティス)。これは、その人の抱える困難を文化的・社会的・経済的な文脈で捉え、社会の側に変化を求める考え方である。欧米では盛んなものの、人種差別や性差別に関わるものが多い。そこで本書は、日本風土にマッチした心理支援の実践モデルを紹介することで、学派や理論的背景を超えたこれからの心理臨床のあり方を探り、新たなアプローチを提言する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう
7
古くから心理学実験参加者の多くが「W.E.I.R.D」と呼ばれる国々の出身者で【「western(西洋の)」、「educated(教育を受けた)」、「industrialized(工業化した)」、「rich(豊かな)」、「democratic(民主的な)」】weird(奇妙な)学問だった。本書は学問の基盤にある構造的差別への加担にとどまらず、臨床領域で侵されやすい不公正の維持機能に触れる。複数の実践家が「心理職のすることではない」のように揶揄されており(アクティングアウトだとなじられたこともあるだろう)2025/01/05
言いたい放題
3
杉原保史先生のみ読了。関係精神分析に関して記述があり嬉しい。今最も学びたい学問領域。続編求む。2024/12/07
Go Extreme
1
社会正義アプローチの基本概念: 心理支援 社会的要因 社会正義 クライエント 支援の枠組み 公正 社会構造と心理支援: マイノリティ 抑圧 不公平 バイアス マイクロアグレッション 無意識の偏見 多様な学派の視点: フェミニストアプローチ 多文化アプローチ インターセクショナリティ 文化的謙虚さ ジェンダー 平等 実践と倫理: アドボカシー クライエントの権利 倫理的配慮 エンパワメント 公正な支援 透明性 心理支援の発展と課題: 欧米の議論 日本の現状 研究の進展 教育とトレーニング 社会変革 実践応用2025/03/03
nobu
0
心理支援領域で社会にアプローチする本書のような物が出版されるのは隔世の感がある。編者の和田氏の「社会正義アプローチとは、ためらい、迷い、疑心悪鬼になりながら、自身の内面や時代精神を凝視し、他者の声に耳を傾け、既存の知識の前提や限界の挑戦しながら模索するものだと考える」という言葉に凝集されている。おそらく心理領域でのSDHと考えてもいいのだろうが、本書をきっかけに教育や現場でこの概念が広がることが、今後の多様性が広がる我が国の心理臨床の質の向上につながることを期待したい。2025/02/11
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