内容説明
装蹄師の平野敬は、北海道の浦河で引退した馬の世話をする養老牧場を営んでいる。敬が注目している馬・エゴンウレアは日高の小さな栗木牧場生産の最高傑作と言われるが、気性が荒く、プライドも高い馬で誰もが調教に手を焼いていた。以前エゴンに装蹄したことのある敬は、初めて彼に触れた時、間違いなく超一流の資質を秘めた馬だと確信していた。敬は、覚醒剤所持で服役していた元騎手で幼馴染の和泉亮介の才能を信じ、エゴンの乗り役を頼むことに。調教を重ねるうち、エゴンが自分の意志で走る姿を見せ始める。エゴンに人生を託した人々の想いは、二勝馬脱却への奇跡を呼び起こせるのか――。直木賞受賞第一作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
316
面白かった!なんだこのハードボイルドな装蹄師はww 馳ノワールや北方水滸の登場人物が、北海道日高で競馬関係の仕事につきましたみたいな、ミスマッチの予感しかない組み合わせが意外な融合を見せてくれる。ポイントとなるのは亮介の存在で、彼がいわば中和剤となって、物語がチグハグなまま空中分解するのを食い止めるどころか、感動の域にまで持っていってくれる。私は競馬はやらず、まったくの門外漢なので、まっさらな気持ちで楽しめたが、競馬ファンの方からすると、レースシーンが少なく、ラストもG1制覇まで引っ張ってほしいかも。2024/09/24
となりのトウシロウ
82
北海道浦川、日高地方という場産地で競馬に魅せられた人達を描いた物語。作中のわたしという一人称で語るのが装蹄師の平野敬。騎手になるべく競馬学校に入るが背が伸び過ぎて断念している。元騎手、サラブレッドの生産牧場主、馬主、厩舎のホースマン、獣医など競馬に携わる人達の競馬に賭ける想いが熱い。そしてステイゴールドをモチーフにしたエゴンウレア。気が荒くて人に反発してレースでは本気で走らず手を抜く。2着3着が多い。ん?どこかで見た覚えが・・ステイゴールド!!みんなの想いと夢を乗せて走る馬達の厳しく辛い現実も描かれている2026/03/24
オーウェン
56
友人の牧場を受け継いだ敬は馬の装蹄師として働く。その友人でもある亮介は騎手ながら、麻薬で身を崩し刑務所からできたが借金漬け。そこで一緒に働くよう亮介を雇い入れる。競走馬が主役ではあるが、それに関わる多くの人間たちのドラマ。競馬の必要性にも言及しており、なくても困らないのだろうが、そうなるとサラブレッドたちのは食用か放牧するだけの存在。勝つことでしか生き永らえないという世界。すべてを変えるある出来事が唐突な気がするが、エゴンウレアが黄金旅程になる過程は手に汗握る。そして親の遺伝子は子へと受け継がれていくのだ2025/09/15
ぼっちゃん
47
気性が荒くレースで本気を出さずシルバーコレクターと呼ばれる競走馬とその馬にかかわる人々の物語。最近『ザ・ロイヤルファミリー』『銀色のステイヤー』など競走馬の話を読んだが、今作は覚せい剤に手を染めた元騎手が借金をかかえ、やくざに関りを持たれたりするあたりが馳さんらしい作品なのかな。あとがきを読むとステイゴールドという馬がモデルらしいが、競馬をしない私も聞いたことある名前だった。2024/10/05
Toshi
33
最高の競走馬になるポテンシャルを持ちながら、人に抗いその力を発揮することなく常に2着のエゴンウレア。人は彼を「最強のシルバーコレクター」と呼ぶ。この馬に己の未来を託す主人公の敬、友人で元騎手の亮介、牧場主の栗木とその娘の恵海。人々の想いはエゴンに通じるのか。 装蹄師で敬の師匠の渡辺、亮介の借金を取り立てるやくざの国重など、カラフルな脇役も登場し、怒涛のゴールに向かって物語は走る。 さすがの馳星周さん、最近動物ものが多いですが、これも感動の一冊でした。 2024/12/24
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