内容説明
202X年7月。
長年危惧されていた南海トラフ地震が発生し、日本列島の太平洋側は壊滅状態に。
若き環境大臣・早乙女美来は、特に被害が大きかった愛知へ向かった。
名古屋では、地元IT企業「ネクスト・アース」がAI技術を駆使して開発した「エイド」によって、迅速な行方不明者の捜索と救助、避難所運営がおこなわれていた。
追い打ちをかけるように東京直下型地震が発生。
さらに、8月には過去最大級の大型台風が首都圏を襲う。
東京のビル群は崩れ落ち、閣僚の大半が亡くなり、緊急事態に対応するため美来が史上最年少で総理大臣に抜擢される。
しかし、絶望的な状況で、ついには富士山噴火の予兆が見え始め……
初の女性総理・早乙女は、ネクスト・アースのCEO・利根崎に協力を仰ぎながら、日本最大の危機に立ち向かう。
崩壊に向かう日本を救うことが出来るのか――。
防災シミュレーション小説の第一人者の集大成。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
119
直近未来が目の前に…の一冊。時は202x年7月。まさか今年?リアル予言のようで覚悟をしてページを捲る。初っ端からとにかく言葉が刺さり、恐怖と息を呑む展開。南海トラフ巨大地震からの東京直下型地震、台風に富士山噴火の絶望的災害リレー。この指揮を任されたのは初の女性総理。自然災害との戦争はまさに言い得て妙。相手はいっときも待ってはくれない。いっときも気が抜けない状態がキツい。全ての責任は自分がとる、その言葉を添えた総理の指示が涙ながらに良い。異例、一新の必要性も感じた。直近未来指南書として映像化されて欲しい書。2025/01/06
ゆみねこ
73
高嶋さんの本領発揮、日本を次々に襲う大災害パニック小説。東南海地震からの半割れで南海トラフ巨大地震、追い打ちをかけるように首都直下大地震。そしてフィリピン海で発生した大型台風8号が被災地を襲う。相次ぐ災害で総理も閣僚たちも亡くなったり大怪我をして大混乱に。そして33歳当選2回の早乙女未来が総理に。類まれなリーダーシップで東京を日本を立ち直すために闘う未来だが次に起きたのは富士山の大噴火…。怖いけど面白く、災害への備えはキチンとやらなくてはと思える1冊。2025/03/01
yukaring
67
巨大地震、大型台風、火山の噴火と考え得る限りの災害が全て同時に起こったら日本はどうなるのか。想像するだけで背筋が冷える災害シュミレーション小説。どの災害もいつ来てもおかしくないものばかり。高嶋さんならではの災害の最新予測がふんだんに盛り込まれとてもリアルにイメージできる。未曽有の災害の連鎖に東京は壊滅状態、甚大な被害に人々も大混乱。しかも閣僚の大半が亡くなる絶望的な状況で総理に抜擢されたのは33才の若き女性政治家・美来。彼女は日本を救うことが出来るのか?これは是非政治家達や全国民に読んでほしいと願う物語。2025/03/28
hirokun
61
★5 高嶋哲夫さんの強みがいかんなく発揮される激甚災害シミュレーション小説。高嶋さんには関心が薄かった分野に対する知見を広げるための切っ掛けになる作品を何度も提供してもらった。今回の作品も時期こそ限定できないが必ず起きる災害をテーマに、現代の課題を再提起してもらった。自助・共助・公助といわれるが、国家レベルで取り組むべき事項にも拘らず、最も対策が遅れている分野であり、かつ我々市民が国が取り組むべき重大問題として主張すべき優先順位が低くなっている。これは単に政治の問題だけではなく有権者の見識の問題だ。2024/12/14
ジョンノレン
55
連続的な東南海地震の全域発生に続く大型台風に留まらず首都直下地震に加え富士山が300年の沈黙を破り大噴火と現在想定される深刻な自然災害リスクが一気に現出する物語。読んでいて暗澹たる気分になったのはかつて首都機能一部移転とか併存とかの議論がいつ間にか雲散霧消。また富士山大噴火も過去の歴史から見ても見て見ないふりは出来ず足下のみならず首都圏エリアも深刻なダメージが想定されること。備えあれば憂いなし既得権益にしがみつき小さなサイクルを回す連中は見限って大きいところから順次手をつける体制に移行しないと危ういなあ。2025/06/04
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